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タミー・フェイの瞳のwisteriaのレビュー・感想・評価

タミー・フェイの瞳(2021年製作の映画)
4.0
いよいよ日本時間3月28日に予定されている2022年度アカデミー賞の主演女優賞(ジェシカ・チャンステイン)とメイク・ヘアスタイリング賞の2部門にノミネートされているということでDisney+で初鑑賞。というかこれは残念ながら日本では劇場公開は見送られ配信のみとなってますね💦

アンドリュー・ガーフィールド扮するジム・ベイカーと主演女優賞ノミネートのジェシカ・チャンステインのタミー・フェイ夫婦の幼少期からキリスト教TV伝道師(televangelist)として大成功するもその後のスキャンダルから没落までを描く実話に基づく栄枯盛衰もの。

TV伝道師というのがどうも大方の日本人にはピンとこないけれど、夫妻の出ていた「PTLクラブ」には日本語吹替版も存在していたらしい。🇺🇸大統領選などがあると宗教勢力の票の動向がいつも取り沙汰されるが作中でも時の大物政治家との繋がりなどが示唆されていてその空気感を知れるのは興味深いところ。

敬虔で可憐な少女時代からはじまり、時を経るごとに歌舞伎の隈取りみたいな奇怪なメイクを施しつつ依存症やらもあり心身ともにバランスを崩し完全に別人レベルに見えるジェシカ・チャンステインの奮闘を堪能できる。『Tick, tick... BOOM! : チック、チック…ブーン!』の方で主演男優賞にノミネートされているアンドリュー・ガーフィールドも良い意味で気持ち悪くこちらもなかなかの好演。それにしてもはたからは富と名声に取り憑かれた俗物にしか見えなくても、彼らの内面的にはかなり一貫して敬虔でピュアなクリスチャンとして描いているのは興味深いところ。実際主観的にはそのような感じだったのかもしれない。

語り口に新味があるといった作品ではないけれど、役者陣の頑張りと🇺🇸社会の一側面を知れて一見の価値あり!と思います。2時間強ですが少なくとも私はまったく退屈しなかったです。
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