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ヤクザと家族 The FamilyのELLEのレビュー・感想・評価

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
3.8
ヤクザが表立ってお店を切り盛りしている1990年代から始まる本作。その後ヤクザを取り締まるための法律ができ、組織が衰退していく様子はかなりインパクトがあった。刑務所から戻ったら、街も人も何もかも変わっている主人公の戸惑いは見ていて切ない。
足を洗ってまともに生きようとしても世間がそれを許さない。過去の行いを思うとしょうがないと思う部分も大いにあるけど、すごく難しい問題。行き場がなく、ヤクザから足を洗えないヤクザがいるのは辛い現実だった。

俳優陣に関しては、若手からベテランまで演技派を揃えた完璧な布陣で文句無し。ストーリーも大事だけど、キャスティングも作品を台無しにしないために絶対必要だと思うから、製作サイドの本気を感じた。
とにかく舘ひろしが激渋で痺れる。初登場シーンからオーラが半端ない、レベチです。ヤクザの親分なのに溢れ出る気品。時代ごとの演じ分けも見事でした。綾野剛✕尾野真千子は大好きなコンビなので久々に見れて嬉しかった。中村役の北村さんもよかった。総じて満足です。
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