うたまるさん

友へ チングのうたまるさんのレビュー・感想・評価

友へ チング(2001年製作の映画)
3.7
見なきゃ良かった…(泣)

はじめに書いたこの一行の意味を説明します。
これは、つまらないから…の「見なきゃ良かった」ではなく、あまりに悲し過ぎて、辛すぎる内容に思わず頭に浮かんだ言葉が「見なきゃ…」なんです。

ストーリーは4人の少年達の物語から始まります。
ヤクザの息子で4人の中ではリーダー格のイ・ジュンソク、葬儀屋の息子でジュンソクの次に腕の立つハン・ドンス、4人の中では一番のお調子者なイ・ジュンホ、そして、4人の中では一番の優等生チョン・サンテク。
子どもの頃は何でも話し、どんなことも分かち合えた。遊ぶ時もいつも一緒。そんな仲良しな4人だった。
高校生になると、少しずつズレが生じ始めるのだが、親分肌のジュンソクからしたらいつでもみんな対等だったのだ。

そんな4人も大人になり、いつしかズレは取り戻すことが出来ないほど広がっていた。
特にドンスは、思春期の頃からいつもジュンソクの使い走りのような関係に反発するように、ジュンソクと敵対する組織の一員となり、力をつけて行った。

ジュンソクとしては、幼なじみのドンスとは争いたくはなく、お互いの組織が抗争へと発展した際にも何とか彼に国外に出るように説得しようとする。しかし、交渉は決裂。
もちろん、ドンスの本音もジュンソクとの殺し合いなど望んでいない。一度は拒否したのだが、かつての友人サンテクの留学を見送りしようと、空港へと向かおうとする。
…しかし、ドンスはジュンソクの手下のウンギらによって刺殺されてしまうのだった。

その後、裁判へ。

この事件の裁判では、サンテクらもジュンソクが首謀者であるはずがないと、彼が証言する時に、首謀者は自分ではないと答えろと説得する。

そして、裁判当日、ジュンソクからすれば、自分の兄弟そのものだったドンスをメッタ刺しにした犯人は、自分が育てたわけではないチンピラだと知った時、ドンスの名誉のためにも自分が首謀者だと返答してしまう。

これにより、ジュンソクの懲役が確定してしまうのだった…。

この作品の序盤は、ダラダラと子供の頃の彼らの関係性を見ている側に伝えるためにやや説明過多なシーンが続くのだが、大人になってからの展開はむしろ説明不足なくらいにトントンと進んでいく。

正直なところ、この作品は前半と後半は違う監督が撮っているのか?と思えてしまい、あまり面白くないかな…と感じていたのですが、クライマックスに近づくにつれ磨きがかかるドンス役チャン・ドンゴンとジュンソクのユ・オソンの熱量が上がってくることでドラマも面白くなってくる。

最後はしっかり感情移入もロックオン!
もう、辛すぎ💦
まぁ、終わりよければ全てよしな作品。
結局、最初も最後もサンテクの一人称で語ってくれているのだが、それって必要だったのかな…?

まぁ、スタンドバイミー的な青春ムービーな要素やヤクザの抗争については仁義なき戦い的な要素もありで盛りだくさんな内容ですので韓国映画ファンでなくてもオススメですよ。
うたまるさん

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