うたまるさん

ノック 終末の訪問者のうたまるさんのネタバレレビュー・内容・結末

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

「ロン!君はロンじゃないかー!」

おっと、いきなり脇道に外れちゃいましたが、それにしてもシャマラン監督ったら、どえらいものを世に送り出しちゃいましたねww

今回は、『knock 終末の訪問者』です。
監督は私の大好きな監督の一人、M・ナイトシャマラン。今までも彼の作品はほぼ全て観ていますが、どれも必ず2回以上観ています。
と、言うのも彼の作品の特徴はやはり、ラストの大どんでん返し!
1回目は何の先入観も持たずに鑑賞。すると、必ず足元をひっくり返されます。そしてその後、答え合わせをしながら再度鑑賞。
それでも、わからなければもう1回…。完全に沼化ですww

今回も1回目はアマプラの吹き替え版にて約100分間で観終わりましたが、2回目に関しては同じくアマプラの字幕版で、一時停止やメモを取ったり、Wikipediaで調べたりしながら約4時間かけて鑑賞。
ほぼほぼ不明な点は解消できましたよ。
もう、ここまで来ると立派なシャマラニストですねww

今作品のテーマは「ヨハネの黙示録の4騎士」のお話です。
イエス・キリストが7つの封印を解くと、4騎士が現れるのです。
これが、ハルマゲドンの始まり。
おや⁉︎7つの封印…。そうです、キャビン(山小屋)を訪れたレナードらがノックした回数も7回でしたよね。

神の子羊であるキリストは、そんな4騎士と次々と対峙していくのです。
おや⁉︎子羊…。よく観ると、ウェンの着ているパーカーって可愛い耳の付いた子鹿になっているじゃないですか!流石に子羊のパーカーにしちゃうと、ウェンがキリストの役目をしなくちゃいけないので、そこは子鹿にしましたか。

白いシャツを着た大男のレナードは手に斧のような武器を持ち、穏やかな口調で、エリックやアンドリューに話しかけます。
白い服…。これは第一の騎士の白馬ですね。白馬に乗った騎士は冠を被り、手には弓を持っていて、勝利の上の勝利を得ることが役目。
作品の中のレナードはこれとは対照的に学校の先生をしていて子供たちを優しく導いていく役割を担っていた。

それぞれ、そんな視点で見ていくと、コックのエイドリアンの黒い服、ガス会社に勤めるレドモンドの赤い服、看護師をしているサブリナの淡黄色の服などの意味と役割が理解できるようになってきます。

さらに、エリックとアンドリューについても興味深い点があり、感受性が強く何でも受け入れられるエリックは、鏡に映った光の中の人影を感じることができ、自分の役目を理解できるのに対して、弁護士という職業柄オカルト的な発想や考え方を理解することができないアンドリューとが両極端に描かれている。
これについても、トランプ氏とバイデン大統領の争いからアメリカも世論が二分されていることと符合しているようにも感じる。
まるで、目の前で起こっている事実を陰謀論の如く受け入れないアンドリューと、正反対のエリックのように。

そんな彼らと養子のウェンで築かれた家族だからこそ、この最期の審判に選ばれたのかもしれない。
血縁のない家族でありながら、他の誰よりもお互いを愛し合っている家族。また人種の違いや考え方の違いはまるで小さな地球の人間を表しているかのようだ。

レナードらが言い放った「3人の中の一人を殺せ!」と、あえて愛する者を守るためには大きな代償を払う必要があることは、キリストが自らの命を捧げることで最期の審判(ハルマゲドン)を回避したことと一致する。

うーん、深過ぎるよ!
きっと、今この文章を読んでくれている人も付いてきてくれてないよ…。

また、レナードが自ら死を選ぶ時、デッキで椅子に座りながら語る部分はまさにシャマランがこの作品を観ている人達に伝えたかった言葉で、「伝えることの難しさや大切さ」を表しています。

さらに、劇中とエンディングで流れる「ブギーシューズ」の持つ意味も考えながら観ると、これまたイイ!
これからもこれまでと変わらない明るい毎日がやってくるよ!なんて、すっかり沈み込んだアンドリューからすると初めは受け入れ難かったけど、ウェンや亡きエリックの気持ちも考え、最後は受け入れていく演出もなかなかエモい。

エンドロールが終わった後のノックについても、「さぁ、7つの封印を解きましたよ。貴方はどうしますか?」なんて、あえて我々に問うようなメッセージに感じてしまう。(←これについてはあくまでも私の主観ですよww)

おーっと、シャマラン作品には欠かせない監督のカメオ出演については、見逃した人も多いようですが、しっかりとテレビで「エアーフライヤー」をコマーシャルしてますよww

いやぁ、とにかく見応えのある作品でした。
でも、まあ、私自身そもそもシャマラーじゃなかったら1回目の鑑賞で「なんじゃこりゃ!」と言い放ち、匙を投げてましたよ。
完全にアンドリュー状態ですねww

主観を織り交ぜながら超長文感想を書きましたが、興味を持って頂けたら是非また観直してみてください。
逆に、私以上のシャマラニストの人には、是非最初のメッセージボードの3つの問いの意味を教えてください。チェスの発明者って何のことよww

てな訳で、シャマラーな人もそうでない人も、さらにクリストファーノーランのTENETを何回も観ちゃうような人にも強く強くオススメな作品です。
うたまるさん

うたまるさん