デッカード

ジョン・ウィック:コンセクエンスのデッカードのレビュー・感想・評価

3.5
2時間49分という長尺だが、そのほとんどがアクションの連続。
アクション牛丼特盛を10杯くらい食べ終わった感じで、もうお腹いっぱい。

大風呂敷を広げた感のあった「主席連合」という巨大組織との決着をどうつけるのか?と興味津々だったが、シリーズとしてうまく着地できたと思う。

今回はウィンストン、キングといったお馴染みのキャストに、盲目の凄腕殺し屋ケイン、大阪コンチネンタル・ホテル支配人シマヅ・コウジという新キャラが加わり印象を残す。

ジョン・ウィックに友情を感じながら娘の安全のため彼を狙うケイン役のドニー・イェンのアクションがキレキレで見事。
『ローグ・ワン』を連想させる役どころは、スター・ウォーズ・ファンも喜ばせたのでは?

全方面敵だらけのジョンを、友情のために自身が支配人を務める大阪コンチネンタル・ホテルを賭けて闘うコウジ役の真田広之の貫禄は、ハリウッドでの彼の地位が不動であることを感じさせる。

登場する大阪はサイバー・シティらしい描写で、初期のリドリー・スコット監督作品を連想させる。
最近だと『ブレット・トレイン』に続き"トンデモ日本"感はあるのだが、もう日本のカルチャーや都市づくりをこのイメージに寄せていって、外国人観光客に喜んでもらったほうがカッコいいのでは?と思ってしまった。

そもそも、ロシアン・マフィアのバカ息子がジョン・ウィックの亡き妻が愛していた犬を殺し、車を盗んだことから始まったシリーズだが、最後まで犬愛がちゃんとストーリーを牽引するファクターになっていたのは犬好きとしてはよかった。

キアヌ・リーブスのアクションは、さすがに年齢的に限界かな?と思える感じで前作よりもキレはなくなっているが、還暦前でこれだけのアクションをこなしたのだからもう十分がんばった思う。
シリーズを完走したことを労いたい気持ちでいっぱいになった。

ラストをどう解釈するか?
ネタバレできないが、私はたぶんジョンは……と思っているのだが、どうだろうか?

それとエンドロールが終わっても重要なシーンがあるので、サブスク鑑賞でも最後の最後まで映画を観てください。

何はともあれ、キアヌ・リーブス、本当にシリーズ完走お疲れ様でした。
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