ポンコツ娘萌え萌え同盟

堀部安兵衛のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

堀部安兵衛(1936年製作の映画)
3.4
中山安兵衛を描いた作品は『決闘高田の馬場(血煙高田の馬場)』や『『高田の馬場』より中山安兵衛』などがある。
ただこの二作が史実の「高田馬場の決闘」をベースに描いてる作品に対して、本作では「高田馬場の決闘」の後が本編となっている。
これは"堀部"安兵衛を描いた物語なんだ。

もちろん「高田馬場の決闘」の場面はあって、しかも開幕からそれなので中山安兵衛名物の18人斬りと二刀流のチャンバラが見られるという大盤振る舞いっぷり。だけど主要なチャンバラはこことあと終盤のだったと思う。

前半では「高田馬場の決闘」の後日談で、中山安兵衛が堀部家に婿入りして堀部安兵衛を描いてる。
高田馬場の決闘後は安兵衛はやっぱりへべれけの飲んだくれ侍で、なんというか自由というか……堀部家のおじさんが頭を悩ませてた印象が強かった。
ただ飲んだくれといえど強くて寝転びながら槍を避けたりとか正直笑ってしまうシーンはいくつかあって良かった。

後半では忠臣蔵の赤穂事件をベースに堀部安兵衛を描いてる。
忠臣蔵の物語は基本的に誰かが主人公というよりかは人間模様で動いている印象(自分が見た忠臣蔵が1958年版なのもあるけど)があったが、
対して今作は全体を通して堀江安兵衛という男を中心に描いているため明確な主人公いる忠臣蔵の物語は少し新鮮味を感じた。
ただ堀部安兵衛の成長もわりと感じるところがあるけど、前半のような笑える場面はなかった。

チャンバラ自体の数はそこまで多くないけど高田馬場の決闘のチャンバラから始まって赤穂事件の吉良邸討ち入りのチャンバラで終わる、なんて豪勢なんだろうか。