好き勝手なてそ

マッド・ハウスの好き勝手なてそのレビュー・感想・評価

マッド・ハウス(2019年製作の映画)
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主人公サラは理想のマンションに出会い引っ越す。マンションは住民同士でバーベキューをやったり仲良く交流しており、楽しい生活が始まったと思っていた。
ところがある夜いやなニオイがして目が覚めーーーマンション住民の狂気の実態が見え始めるという話。

近いところで例えると、
『ミッドサマー』みたいなカルト的な倫理観のずれた共同体が、ド田舎ならあるかもと想像するものの、まさかロサンゼルス郊外にあるとは思わんやろ?っていう感じの作品。

あと、猫が殺されちゃいます。注意です。
ペットは許可されたところでちゃんと飼いましょう、とは私も思います。

ストーリーと関係ない褒めポイントでいうと、
サラ役のニコール・ブライドン・ブルームはかわいかったですね。日本とのハーフみたいな雰囲気の顔立ちで日本で好かれそうな雰囲気。
自分の意志を伝えるのが苦手なサラを演じていたけど、嘘をついて誤魔化したり、微妙な心の変化を演じ分けるのが上手でした。

ストーリーで感じたこと。
服従のために苦行を強いるシーンがあり、1色の装束を着させられるあたりなど、日本でいうとオウム真理教を彷彿とさせる。
マンション住民はひとつの共同体・コミューンとして暮らすが、半ば軟禁状態にあるといえる。
なので、共同体の中でそれなりなスキルはいるわけだけど、例えばある程度の医療行為なら医者がいるので問題ないらしい。
オウム真理教も、高学歴や理系など論理的に考えられると思われそうな人が入信していたりして、なぜそんな人達がカルト宗教にハマるのだろうみたいな話は度々出ていたけど、この作品の共同体でも似たようなことが起こってる。
最初は違うと思ってても、監視下で肉体と精神を疲労させられることによってだんだん正常な判断が出来なくなり、外界とのしがらみも絶たれ、しばらく経ったらもう後にも引けなくなる。その構造が紐解かれていて、洗脳の怖さがじわじわくる作品だった。
そして、それはみんな知らないだけで、意外と身近に潜んでるのかもよ…みたいなメッセージも感じ取れてよかった。

ただこの共同体にいたら貧しくなくなるという主張だけはよくわからなかった。みんな仕事してないし、ミッドサマーでいうアッテストゥパンみたいなこともしていたしな…?
何で儲け出してるんだろう?

装束の色のモスグリーンには何か意味があるのだろうか?
サラの瞳の色も少しグレーがかった緑色で、なんだか装束の色と合ってた。(意図してるのかはわからないけど)