シネマスナイパーF

キャンディマンのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

キャンディマン(2021年製作の映画)
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ブラッククランズマンという映画で、かつて黒人男性が見世物として惨殺された事件を取り上げていましたが、それを思い出した
正直、キャンディマンという題材をこういう形で語り直すというアプローチには強引さを感じずにはいられないものの、結果として面白くなっているから無問題


まず、BLM的な観点ではない部分でちゃんと現代版リメイクとして意義のあるものになっているから立派よ
たとえ小綺麗な見た目に変わろうと、土地に根付く忌々しい過去は消え去らないというテーマを語るため、そして恐怖を語り継ぐことの持つ意義を強調するための時間経過をよりリアルにするためと、目的がハッキリとした現代版リメイクだった

あるひとりの男の悲劇を発端としながらも、同じ場所で起き続ける悲劇を業として背負い続ける超常的な「何か」、それがキャンディマンだと定義したことも非常に面白い
負の歴史が積み重なる度に、苦しみ、悲しみを背負い継承されていくこの存在が最後に見せる姿、そして繰り返される影絵の先にエンドロールで見せつけられる恐ろしき顛末

キャンディマンオリジンであるロビタイルより、後発のキャンディあげますよおじさんシャーマンの方がキャンディマンと呼ぶに相応しいキャンディマンっぷりだったり、かつての因果から逃げることがついに叶わなかったアンソニーなど、この怨念は狙ったタイミングで継承されていく上手いシステムなんだなと変な感心をしてしまう都合の良さには目を瞑る


都市伝説の持つ面白さと、社会問題を割と上手いこと融合させた良い作品だと思いました!!
悲劇から始まった負の歴史の継承、これも鉄板の題材だな