RAY

タイラー・レイク -命の奪還-のRAYのレビュー・感想・評価

3.9
“闘う理由”


Netflixにおける1ヶ月の視聴世帯数最高記録をわすが1週間で塗り替えたと言う今作。
主演は『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース。
監督は今作がデビュー作となった、サム・ハーグレイブ。元々は、『アベンジャーズ』等のスタント・コーディネイトを務めていたのだそう。

実はこの作品、時折レビューに登場する、僕の映画の師匠とも言える友人からのおすすめによって鑑賞したのですが、これもまた彼がおすすめしてくれるだけあって凄い作品でした。
冒頭、監督の紹介の中でスタント・コーディネイトをしていた旨を書かせて頂いたのですが、なるほど、本当にアクションが凄まじい。
この作品がデビュー作とは到底思えない程、魅力のある作品に仕上がっていました。

見せ場のひとつは、約12分間におよぶ、ワンカット風のアクション。
ワンカット風と言えば、サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』が記憶に新しいですが、この作品は同じワンカット風でも、約12分間の限られた時間の中にサム・メンデス監督のそれとは違う幾つかの工夫が見られます。
このシーンは、僕も観ていてとてもわくわくしましたし、気付いたら、「うわぁ、巧いなぁ!!」と思わず声をあげていました。
アクションはあんまりと言う方でも、このシーンだけは観る価値があると思います。

そして、やっぱり、主演を務めたクリス・ヘムズワース。
非常に素晴らしい演技でした。
スタントシーンも魅力的でしたし、アクションシーンについてはかなり格好良かったです。

物語の内容はと言えば、麻薬組織との抗争から始まる救出劇なのですが、これはやはり好き嫌いが分かれやすいのかもしれません。
このことは好みの問題なので、当然仕方がないのですが、この映画の物語以上の良さに目を向けて貰うとこう言った作品が苦手な方でもチャレンジしやすくなるのではないかと思います。


物語以上の良さと言うのはとてもシンプルなことです。

“守ると決めたから守る”

このことこそが闘う理由であり、この作品のアクションと並ぶ魅力なのだと感じました。


とにかく、是非映画館で観てみたいと心から思う素晴らしい作品でした。


観て良かった。
RAY

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