まっつん

スパイラル:ソウ オールリセットのまっつんのレビュー・感想・評価

3.1
こちらも暇だったのでプラリと観に行った新作でございます。僕ホラー映画って大好きで、自分でも結構観てる方だと思っているのですが、「ソウ」シリーズって1.2しか観ていなくてですね...しかも、その1.2すら内容があやふやという体たらくなのであります。最近こんなんばっかだな....「しっかりしろ!貴様!」と僕が1番思っています。

そんな僕ですが、今回はシリーズを全然観ていない!ということが良い方に転がったのか、フラットな気持ちで観たこともあり結構楽しめましたよ!印象としてはデビッド・フィンチャー監督、みんな大好き「セブン」ですよね。これはね。ちょっと「今どきセブン...」って感じはしましたが、全体としては手堅い作りだったので、普通に楽しめたと言いますか。あとやっぱりクリス・ロックとマザファカおじさんの引きの強さですよね。僕はもうこの2人が登場すれば画面に釘付けですよ。

あと今回は殺されるのが警官ばっかって言うのが良かったですね。「警官殺しだ!殺人鬼め許さん!」と言っときながら、無実の人を殺すことに関してはジグソウといい勝負をしている警察の皆さんです。やっぱ「警察はクズ」っていうのは万国共通の認識であり、昨今のアメリカにおける警察に対しての不信感を意図的に取り入れてる感じはします。それ故に、1.2だとゲームに巻き込まれちゃう人に対して「とは言え理不尽で可哀想でしょ...」と思っていた僕も本作では「可哀想」などと言う感情はゼロ。「いいぞ!死ね死ね!」なんて気持ちでスッキリ観れたのであります。

とは言えどうなんでしょう?これむしろファンの方にお聞きしたいんですけど、ファン的にはどうなんですかね?結構、他の方の感想などを読んでいると否が多めかなぁという感じがするのですが...やっぱジグソウはいないわけでしょ?てか、あのジジイは結構最初の方で死んでるわけですよね?で、完全仕切り直しに近い状態で新たに...ってなるとそれは「ソウ」なのか?ということはあるだろうと思うのです。むしろ逆に本作のような作品があることで「ソウ」を「ソウ」足らしめていたものとは何なのか?を考えることになるような気もします。その点、「ソウ」にわかの僕が思う「ソウ」らしさって言うと「回想がダルい」ってところがあって。しかも、基本的に後から後から回想シーンで色々出してこられて、これなんでもありじゃね?みたいな気持ちになってしまうんですよね。しかも、オチも反則的というか。とか言うのは野暮ですかね(笑)。すみません。

そして、今作もやっぱり回想が多いんですよ。でね、それ以前に犯人の当たりが簡単に付きすぎる!という問題はあって。本当は僕嫌いなんですよ!「オチが読めた〜」とか「犯人簡単に分かっちゃった〜」とか抜かす奴!映画観てそんな感想しか出てこないのか?!と愕然とするわけですよ。そういう人には。それでもって僕の好きな映画を貶されたりした日には「ウルセェ!アッチイケ!!」って感じになりますよ。でも、今作はやっぱりあまりにもね....分かりやすすぎる。冗談じゃなくどんなバカが観ても「あぁ!こいつ犯人だ!」と気づくと思うんですよ。でですよ、百歩譲って犯人がすぐ分かるのは良いでしょう。問題はその後。クライマックスですよ。最後のトラップが発動。お馴染みのテーマソングが壮大に鳴り響く。そして、ドヤ顔で回想のカットバック....なんだけど、ここの回想で写ってることが....全然、大したことじゃないんですよ。「あぁ、まぁ、はい...」とか思ってると、ドカーン!と切れ味よく終わるから何とも言えない気持ちになること夥しいわけです。

てわけで、色々文句も言いましたが、にわかとしてはフラットに楽しめたかなと思います。