クリムゾンキング

ローマ11時のクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

ローマ11時(1952年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦後、大量失業者がいるイタリアでタイピストの募集が出てその面接を受けるために100人以上の女性が集まった。
あまりにも人数が多く全員面接不可能と雇用側が言ったことをきっかけに、夫婦で職探しをしてる女性がやむなく横入り。それをきっかけに雪崩式に階段に押し寄せ階段が崩落してしまう。

実際にローマであった事故をもとにしており当事者も数名出演してると言う。

自転車泥棒など貧困に喘ぐ民衆を描き出す一連の作品というかネオレアリズモのうちの1作だけれども冒頭のタイピングの音を織り交ぜた劇伴やらタイプの速度で個人の技量がはっきりわかる演出、
階段の崩落は一種のスペクタクル映画の如き迫力、
そして病院以降は女性それぞれの境遇や信念が浮き彫りになり、ラスト、一番に並びながら抜かされて、それでもなお仕事を貰おうと寒空の中閉ざされた門の外で部長を待つカットで終わるという突き放しながら「それでも生きてゆく」姿を映し出した演出などとても見所の多い作品だった。