良作。邦画短編の中ではむしろ傑作では?
子供の生きづらさに主眼を置きつつ、人間本来の無垢な暴力性を描いて出来上がる世界観が好き。今村夏子の小説を読んでるみたいだった。
映画作りが達者。例えばカメラワークが特徴的で、校舎内外のカットバックは学校と男の子との断絶を感じさせる。またカットを割らずにワンカットで後景の人物も注視させるカメラアングルの巧みさも目立つ。さらには音で繋いでるのも良き。
ラストシーンは、親という水槽から出ても子供は死なないから大丈夫!と監督自身が背中を押してくれてるように感じた。
お気に入りは、「気持ち悪いね」と金魚を見て喋る女の子の後にシーンが切り替わり、男の子が橋脚のその他のひとつに見える不気味で可哀想なロングショットです。