「テイキング・オブ・デボラ・ローガン」をけっこう以前からAmazonのウォッチリストに入れているのだけど、病気が絡みそうなのはどうも苦手で観られないまま放置してきた。デボラ・ローガンがアルツハイマー病なのに対して、本作は認知症を絡めた話で導入は似ている。大げさだけど意を決してエイやっと一気に2本とも観た。
デボラ・ローガンはおすすめホラーの常連だが、こちらはマイナーなオーストラリア映画ということでまったく知らなかった。どちらも、高齢の祖母の様子がおかしくなり、病気を懸念する親族の視線から語られる。
画面が暗く、部屋の明かりを落として観ていたのだが、認知症のような展開の前半が怖くて何度も部屋の灯りをつけた。リアルにある病気への恐怖は下手なクリーチャーなどよりずっと恐ろしい。家族や身近な人が病に冒されていくのをそばで見るのがいちばん辛い。自分が罹ると、、、もう自分ではわからなくなる、という状況に陥るのだと、いま考えるとやはり怖い。
まあ、ホラーなので最後は”なんだか得体の知れないもの”が原因だった風に終わって、ホッとできるという、いささか本末転倒のようなホラーの楽しみ方になってしまった。
ただ、認知症やガンなど多くの病気に遺伝性要因があるそうだから、ラストは「遺物」にせよ「継承」にせよ病気の暗喩かも、と気がついてやはりゾクッとなった。