髙田由美

さよなら、私のロンリーの髙田由美のレビュー・感想・評価

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)
3.6
親や血の繋がりがイコール愛情ではないし、悪い親イコール暴力や育児放棄ではない。

死なない程度に育ててはきたし詐欺や盗みの技術は伝授した。目的のために協力し合う事もあったし、儲けも公平に分け合った。娘を憎んだり嫌ったりしているわけではないのだろう。ただ父性母性がないというか、親になれない人達が親になってしまったんだろうな。
犯罪一家ではないだけで、似たような親子関係は沢山あると思う。伝統を受け継ぐ名家とか、皆が医者になって当たり前で他を認めない一族とか。

なんともふざけた現実味のないストーリーだったけど、オールド・ドリオの独特のキャラが活きていて面白かった。甘すぎず荒れすぎず暗すぎず。丁度いい塩梅で好感を持てた。
ただ最後が…え、これってラブだったの?そういう方向だったの?と戸惑ってしまった。

デブラ・ウィンガーは「愛と追憶の日々」時から良い母親ではなかった。「シェルタリング・スカイ」でもまぁ勝手な女だったし。でもあの冷めた感じで私は私、な美しさ好きだわ。
髙田由美

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