にく

マーベルズのにくのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
4.9
N・ダコスタ『マーベルズ』(23)。宇宙を漂うキャプテン・マーベルの絶対的孤独。他のヒロインの登場は確かにそれを癒すが、彼女の能力の相対化をも促してしまう。かくて「女達」は一旦「交換(exchange)」可能な客体の位置に貶められ、だが相互の「もつれ(entanglement)」を手掛りにそこから脱出する。
 その「もつれ」を手助けするのがキャプテン・マーベルの「伴侶」としての猫/フラーケンだ。「猫の手」ならぬ彼奴らの「触手」は端的に(ラブクラフトの人種差別的なそれとは異なるハラウェイの)「クトゥルー新世」の到来を期待させる。子ではなく「類縁関係」(kin)を! まあグースの子ではあるけれど。
 あと、パク・ソジュン王子のところの水は大丈夫なのか?女王による放置プレイか?
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