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This Is Not a Burial, It's a Resurrection(原題)
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『This Is Not a Burial, It's a Resurrection(原題)』に投稿された感想・評価

[これは復活だ、死者でなく、生者の] 70点

妖しい光で満たされたクラブのような場所で、奥の部屋にあるバーカウンターに座った男が長い横笛のような楽器を口の前に掲げながらある物語をゆっくりと語り始める。舞台となるのは、フランス人の宣教師たちが"ナザレタ"と名付けるずっと前から、"涙の平原"と呼ばれていたレソトの山岳地域の寒村である。その名は黒死病の時代に都市部へと搬送する途中で亡くなった病人たちを埋葬し、弔いのために定住を始めたことに由来するという。そんな先祖代々の感情と記憶が染み付いたこの土地で、南アフリカの金鉱山から息子の帰還を待つ老母は一つの知らせを受ける。彼は亡くなったのだ。夫、娘とその娘を亡くしていた彼女にとって唯一の支えだった彼は亡骸となって故郷に戻るが、どれだけ悲嘆に暮れても死は彼女を受け入れない。

奇しくも彼女の村は新たに建設されるダムの底に沈むことになっており、彼女を残して旅立った家族たちやその先祖たちの記憶までもが再び死を迎えようとしていた。村人は土地への執着と諦めを"前進"という言葉で無理矢理飲み込もうとするが、老母は受け入れられない。彼女は喪服を着たまま孤独な戦いを始める。それに対して、ダム推進派の村長は頭ごなしに怒鳴りつけ、神父さえも"宣教師がここに来た時、人々は土着の信仰を捨てた"と新時代に迎合する考えを述べるが、老母の決意も人々の決意も変わらない。そんな強固な意思を以て自身の葬儀の準備を粛々を進める老母の最期の旅路は、数々の美麗な舞台とショットの数々で支えられている。ペドロ・コスタ『溶岩の家』のカーボヴェルデをそのまま閉じ込めたかのような艶やかな原風景、亡くなった息子の家にある目の醒めるような鮮やかな青色の壁、ピンク色の花が咲き乱れる薬草畑、草原に"異物"として混入した全身真っ黄色の作業員。思わず唸ってしまうこれらの色彩感覚には圧倒される。しかも、老母を演じる Mary Twala Mhlongo は本作品が映画初出演というのが信じられないくらい風格がある。

"埋葬ではない、復活だ"という意味深な原題は、強烈なラストシーンで回収されるのだが、そこに至るまでに何度か急展開が訪れる。全体的に詩的にしたいのか現実的にしたいのか分からずどっち付かずの作品になってしまった感じが否めない。特にラザロという青年が突然死ぬシーンは意味不明すぎて、自分が途中で寝たのかと思ってしまった(寝てはなかった)。唐突に置いてけぼりにされる感じ、大学の二回目の授業を思い出す…

追記
こんなにレソトって書くのは人生初でした。
Shaw

Shawの感想・評価

4.5
『ヴィタリナ』と同じ感じの気迫で見るものを圧倒する、土地と人との強い絆、残された者の深淵なる悲しみについての物語。

時に地響きのように、時に金切声のように襲いかかる荘厳な音楽と主演女優の鬼気迫る演技、色彩感覚に富んだスタンダードサイズの映像美が脳裏に焼き付く。

レソト産映画がそもそもあるということを知らなかったが、どの面をとってもこの年(2019年は映画に恵まれた年として皆が記憶しているはず)の他の作品に引けを取らない傑作。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.3
【レソトのおばあちゃん念を放つ】
みなさんは「レソト」をご存知だろうか?レソトは南アフリカ共和国の中にある小国の一つでありエスワニティ(旧スワジランド)と共に、世界地理好きの間でも人気の高い国である。さて、そんなレソトから一本の映画が現れた。『This Is Not a Burial, It's a Resurrection』はアイスランド・レイキャビク国際映画祭2020にて最高賞を受賞した他、第93回アカデミー賞にてレソト映画として初めて国際長編映画賞にエントリーされた作品である。そんなレソト映画を観てみました。

仄暗いバーのような空間をゆっくりゆっくりと360度パンさせながら、怪しげな男にフォーカスがあたる。彼は、レソトのとある物語を語りはじめる。ダムの建設で失われつつある村。宇宙人のようにも見える黄色い作業着を身に纏った男たちが不気味に画面に映り込む。そして、それを凌駕するようにMantoa(Mary Twala) の大樹のように深みのある彫りと反射が特徴的な悲愴顔が画面を支配する。このおばあちゃんは、村人が故郷を諦め新天地を探そうとすることに抵抗する唯一の婆さんとして登場する。子どもたちは皆死んだ。自分の人生もそんなに長くない。しかし、レソトの記憶毎ダム建設によって死んでしまうのはいかがなものか?彼女は喪服を着て、村人の前に立ち圧をかけ、孤独の戦いに挑む。しかしながら、時は刻々と前へ突き進んでしまう。

本作は、レソトだけでなくアフリカ大陸が持つ、侵略による諦めと抵抗を詩的に描いた傑作だ。何と言っても独特な青、黄、緑の色彩に配置されるMary Twalaから立ち込めるオーラが凄まじく、画面越しに殴られている感触がします。

その寡黙で圧倒的なオーラによって人が突然死んだりする。あまりに唐突な描写ではあるのだが、荘厳な画面構築によって説得力しかありません。この映画のもたらす魔法は、欧米のオリエンタリズムを満たすアフリカ映画に留まることなく、唯一無二の世界観で、土地の亡霊を捉えることに成功していました。

ちなみに本作の音楽は日本人の電子音楽家Yu Miyashitaという方が手がけている。