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風とともにのakrutmのレビュー・感想・評価

風とともに(2018年製作の映画)
3.2
フランスの田舎で畜産をしながら夫とともに暮らしている女性と、風力発電の工事にやってきた男性技師の不倫愛を描いた、ベティナ・オベルリ監督の恋愛ドラマ映画。不倫愛そのものがテーマではなくて、夫以外の男性との出会いをきっかけに、自分の人生を見つめ直すみたいな自己開発系映画なんだろう。でも、正直に言って、心に響かなかった。いい歳して不倫でもしなければ自分の生き方を変えられないのかー(夫よりも技師のほうがカッコいいのはわかるけど)、と感じてしまうような描写なのである。愛に対してもっと深く描くとか、現状の生活に対する葛藤を表現するとかしないと、全体的に内容が浅い。

自然と共生しながら生きる主義のアレックスに降りかかるある事件とか、環境療法の一貫としてひと夏の滞在のためにチェルノブイリからやって来た少女・ガリーナとか、興味深いサイドストーリーも上手く活かしきれていないのが、もったいない。メラニー・チィエリーが、化粧っ気のない素朴な女性を見事に演じている点はグッド。少女ガリーナを演じているのは、『ポリーナ、私を踊る』で主人公のポリーナを演じたアナスタシア・シェヴェレヴァ。もっと本筋に絡めても良かった気がするが、時々見せるちょっととぼけた感じがグッド。
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