まっつん

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。のまっつんのレビュー・感想・評価

3.3
死霊館新作です。この死霊館ユニバースってのも油断していると続々と新作がやってくるもんだから困りますな。追うのが大変、というか多分観てないのもある。しかし、何を観てないのかもよく分からない。というこの体たらく。

しかし、本筋の死霊館シリーズはここまでしっかり観ているぞ!そして、死霊館シリーズの面白みってのは大体この2つに集約されるのではないかと思っています。

1.超弩級のジャンプスケアを伴うお化け屋敷感覚
2.ウォーレン夫妻の生態

この2点が死霊館シリーズの醍醐味だと思うわけです。それで言うと本作はどうだったのか?

まず1。「エンフィールド事件」のレビューでも書きましたが、ジェームズ・ワンさんの恐怖演出はとにかくテクニカルで、手数が多く、騒がしい!ということが言えます。信じ難いようなテクニックでもって、2時間足らずの映画の中にジャンプスケアを大量に詰め込む。そして、何個かに一個かは4トントラック級のどデカいびっくりがやって来る。という正しくお化け屋敷の様な感覚というのが面白味なわけです。本作では監督がワンさんから、マイケル・チャベスへと交代。チャベスさんは同じく死霊館ユニバースの一作である「ラ・ヨローナ」を撮った人物です。この「ラ・ヨローナ」見て貰えば分かるんですが、他の死霊館ユニバースの作品と比べて明らかに「品が良くて、おとなしい作品」だと言えます。非常に丁寧で面白いんだけども、ジャンプスケアで言うとちょっと弱めなんですね。ほんで、そのテイストは本作にも引き継がれているなと感じました。やはり前2作と比べるとお化け屋敷感覚は弱いかなと(まぁ、話が屋敷から外に出てしまっているということもありますが)。それでも観てると怖くてバッコンバッコン飛び上がりますが、ワンさんのテクニカルさ豪快さと比べるとよりオーソドックスでマイルドな仕上がりになっています。加えて、前2作にあった「怖いんだけども絶妙に笑える感」も今回は希薄でしたね。

そして2です。ラブラブなウォーレン夫妻ですよ。おもしろ夫婦の生態観察としては、今回も満点です。コレもの凄く変な話だと思うんですけど、ウォーレン夫妻って一応子供いるんですよね。でも、このお子さんがシリーズ通してほぼいないみたいな扱いなんですよ。これ結構新しいなと思って。確かお嬢さんがひとりいたと思うんですけど、彼女はそっちのけで今回もウォーレン夫妻がラブラブします。もう2人の間にある愛が揺らぐことがなさすぎてですね、変に安心して観れるといいますか。3作目まで来ると、もはやお馴染みの定食みたいなもんで「これからもお幸せに」なんて柄にも無く思いましたよ。そして、最終的には愛の力で悪霊退散!ですからね。素晴らしいですね。ウォーレン夫妻にはこれからも是非頑張ってほしいなぁ。

というわけで、死霊館シリーズの中では大人しめな作品になっていますが、万人に勧めやすい手堅い出来になっているのではと思います。