ジャックシューチャー

耳をすませばのジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

耳をすませば(2022年製作の映画)
3.4
みんな大好きジブリの名作アニメ「耳をすませば」その10年後のお話。それを実写で描くというなんとも挑戦的な企画。

ジブリの実写化と言えばあの「魔女の宅急便」の傷跡が未だ生々しく残ってるところ今度はどう攻めてくるのか、半ばこわいもの見たさというなんとも舐めきった状態での鑑賞。

かの傑作アニメ版に思い入れがある人は多いだろうしそれが強ければ強いほど本作を批判したくなる気持ちもよくわかる。
一方で(傑作であることには違いないけど)アニメ版に大した思い入れがない自分としてはよりフラットな視点で観たつもりだ。

結論としては、たしかに映画としてのツッコミどころは散見されるし正直かなりきつい部分もあるものの、個人的には大・大・大満足!
もっとくらくらさせてくれるようなトリップな珍作を想像(というかもはや期待)してたんだけどこれがかなりの良作!!

とにかくキャスト陣が見事と言う他ない。演出があれなだけに役者たちによるこの映画へのクオリティ貢献は相当なものだ。
画面に出てくるだけで「はいこの映画おもしろい」と思わせる松坂桃李の存在感は言わずもがなだけど、清野菜々が演じる月島雫があまりに素晴らしかった!
夢と恋を諦めきれずにいながらも現実に打ちのめされてヘトヘトになってるくたびれた10年後の雫の姿をこれでもかというほどの説得力で体現していたと思う。
ラストの聖司からのメッセージには「雫よかったね〜!!」と思わず親戚のおじさんのような気持ちになってしまうほどの感情移入ぶりだった。

このさらに10年後も見てみたい!