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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のkazu1961のレビュー・感想・評価

4.4
▪️Title : 「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」
Original Title : ※※※
▪️Release Date:2020/03/20
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-136
▪️My Review
本気で生きる者達の圧倒的な熱量を目の当たりします!!
右翼も左翼も思想の壁を超えて、世の中で、体制のなかで自分はどう生きて行くのか、激しく自問してる人達の真剣な熱量はつい50年前のこと。
三島由紀夫の言葉、言霊。。。
「私は諸君の熱量だけは信じる!」、「人間はやるとき、やるしかない!」
それらを目の当たりにして、やはり50年後の今、必要なのは熱量、敬意、言葉。その通りだと思います。
映画宣伝用ボスターの惹句は「圧倒的 熱量を、体感」。その通りのことを感じさせてくれる作品でした。この東大全共闘との伝説の討論、1年後に自決する三島由紀夫の本気の熱量を感じます。
まさしく、言葉の銃で撃ち合い、論理の剣で斬り合う、スリリングな討論アクションの行方は。。
ほんと、今の政治討論とは雲泥の差。健全なエネルギーはこうなんだという事を思い知らされます。全共闘のメンバーは東大であれ学生なんです。この熱量を若い人たちが持っていたことには驚愕します。
当時の三島由紀夫は、文豪、俳優、映画監督、カルチャー界のスーパースター的存在そして体を鍛え、民兵を持つ天皇主義者。
そんな三島が血気盛んな東大全共闘「三島を論破して立ち往生させ、舞台の上で切腹させる」警察が申し出た警護も断りその身ひとつで乗り込んでいった。それは単身で1000人の人たちを説得する意志を持って。その気概も凄いものがありますね。

本作は、1969年(昭和44年)5月13日に東京大学駒場キャンパス900番教室(現・講堂)で行われた、三島由紀夫と東大全共闘の討論会についてのドキュメンタリーです。テレビ局としては唯一取材していたTBSが撮影していた討論会の映像(TBS緑山スタジオで新たに発見されたフィルム)を高精細映像として復元するとともに、当時の関係者や現在の文学者・ジャーナリストに取材して三島由紀夫の思想と当時の若者達の熱量を訴えています。(参考:Wikipedia)

ほんと、思うのはたかだか50年前、東大全共闘の学生メンバー、三島由紀夫の使う言葉の素晴らしさ。この50年で失った日本の言葉の美しさが、残念でかつ印象に残ります。
それにしても、全共闘時代から一貫した思想と生き様を貫いている俳優、劇作家、演出家。劇団ホモフィクタス主宰者である芥正彦氏はどう生きてきたんでしょうか?興味が募ります。彼の思想が強く印象に残りました。
そして、東出昌大のナレーションは秀逸でした。
素晴らしいドキュメンタリー作品です!!

▪️Overview
1969年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との伝説の討論会の様子を軸に、三島の生き様を映したドキュメンタリー。1968年に大学の不正運営などに異を唱えた学生が団結し、全国的な盛り上がりを見せた学生運動。中でももっとも武闘派とうたわれた東大全共闘をはじめとする1000人を超える学生が集まる討論会が、69年に行われた。文学者・三島由紀夫は警視庁の警護の申し出を断り、単身で討論会に臨み、2時間半にわたり学生たちと議論を戦わせた。伝説とも言われる「三島由紀夫 VS 東大全共闘」のフィルム原盤をリストアした映像を中心に当時の関係者や現代の識者たちの証言とともに構成し、討論会の全貌、そして三島の人物像を検証していく。ナビゲーターを三島の小説「豊饒の海」の舞台版にも出演した東出昌大が務める。監督は「森山中教習所」「ヒーローマニア 生活」の豊島圭介。(引用:映画.com)
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