ドント

サタン 悪魔の子のドントのレビュー・感想・評価

サタン 悪魔の子(2018年製作の映画)
-
 2019年。これはね、観た私が悪いね。メキシコの占い師から謎の酒、呪文、目から出るビームを食らった男。帰国してから彼と妻の間に子が出来るが、その子は目からビームを出す悪魔の子だった……メキシコ風評被害映画……
 繰り返しますが、itnのロゴが出た時に引き返さずに観た私が悪い。悪いが、それにしたって、と言いたい。冒頭のメキシコ、死者の日に男と占い師が会話するシーン。カットを割ると向いている方向が全然違うということが3回くらいあり、編集とか繋ぎをどういう風に考えておるのか? 思う。と思ったら個室に連れて行かれて酒、呪文、青いビームとなる。青いビームというのは青いビームである。ピーッと出るの。ピーッて。
 ビームが当たって失神した男はふと気づくと雲の上におり、半裸の女性が寄ってきてコトに及ぶ。女はコトの最中にわかりやすくヘビの顔になったりする。そして悪魔の種子は男から妻へと移り悪魔の子が生まれるわけだが、この子もビームを出す。ピーッって。かくして目を合わせた人々を次々に下僕にしたり殺したり殺した後で下僕にしたりするのであった。
 出てると嬉しい俳優、エリック・ロバーツが出演している。神父の役で後半現れて、「私は善悪の時の調停者……君の夫は運び手にされ、君自身は悪の器にされ、悪魔を生んでしまったのだ……世に悪が蔓延するだろう……気をつけつつうまいことやりなさい……」とキャラにも視聴者にも全部説明してくれる。ありがたいことである。なおネタバレだが彼は悪魔の手先どもによって素手から首にパワー的なものを送られて爆殺される。
 とにかくストーリーとか感情の動きとか照明とか演出とかだいたいが不味い。低予算なのはわかる。パトカーが来て外壁を赤青のパトライトが交互に照らすのだが明らかにパトライトではなく、なんか赤青のセロファンで工夫してるぎこちなさがあったりする。各地でCGの弾着・血糊が活躍するのも別にいい。がんばっているな、と好意的にすら思う。
 にしても、こうさ? 努力とは言わないけども、工夫とか、普通の演出をやろうという気配もないんですよ。不倫シーンがやたらと長かったり、「母さんの死体がない!」と言っといて部屋の床すら映さなかったり。その他いろいろ。クライマックスの反撃で飛び散った血(CG)がカメラに付着したままになるとかいう演出には目を見張ったですよ。悪い意味で。
 でもこういうね、映画もある。世界は広いのでこういうね、悪の手先のさきっちょだけ倒して「よしっ大丈夫だ! お祓いすればいいらしいから!」で終わる映画もある。多様性ですよ。そういう学びがありました。観た私が悪いけれども、それはそれとしても説教部屋行きです。
ドント

ドント