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CODE8/コード・エイトのhasisiのネタバレレビュー・内容・結末

CODE8/コード・エイト(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

監督は、ジェフ・チャン。
脚本は、クリス・パレ。
2019年のカナダのSFアクション映画です。
※アラスジを最後まで。その後に感想を。⚠️

【主な登場人物】🚁🤖
[ウェズリー]元締め。
[ギャレット]先輩。
[コナー]主人公。
[デイビス捜査官]敵対者。
[ニア]マーカスの彼女。
[パーク捜査官]理解者。
[フレディ]強化系。
[マーカス]リーダー。
[マディ]パイロ。
[メアリー]母。
[レイナー]強化系の用心棒。

【アラスジ】🏥🚑
チャン監督は、おそらく中国系でカナダ出身の男性。詳細分からず。
長編2作目。

脚本のバレは、カナダ出身の白人男性で詳細分からず。
長編2作目で、チャン監督の作品では決まって脚本を担当する相方のようです。

⚡〈序盤〉🛢️👷🏻
人口の4%が超能力を持って生まれる世界。彼らはパワーズと呼ばれている。
21世紀初頭の米国。全米1位の経済成長をとげたリンカーン・シティ。
パワーズは建設現場で鉄骨を浮かせて運ぶ。火に耐性のある消防士。メスを使わない医師など、あらゆる現場で重宝がられ、人々の生活に溶け込んでいた。

しかし、AIとロボット工学の進歩により、彼らの需要は急速に低下。人件費の削減を理由に仕事の現場から姿を消していった。
上空には常に警察のドローンが飛び、人型ロボットであるガーディアンが犯罪者を取り締まる監視社会に。
政府によって超能力の登録が義務化。
職を失ったパワーズは貧困層へと追いやられ、犯罪の温床と化していた。

青年、コナーは電撃系の能力者。
同じ電撃系だった父は、彼が5才の時に他界。
母、メアリーと2人で暮らしている。
メアリーは氷雪系の能力者だが、脳の腫瘍により、時々力がコントロールできない病気を患っている。
コナーは電気技師として、大工の現場を巡っては頭を下げて、日雇い労働にありつく。
現場では市警によって定期的に抜き打ち検査が行われ。許可書がない彼らは、犯罪者同然に扱われていた。

サイクは、パワーズの髄液から作られる麻薬。中毒性が高く、時には死の危険を伴うが、社会に蔓延している。
リバートン地区。麻薬捜査官が率いる特殊部隊が、犯罪シンジケートである“トラスト”が常駐しているアパートにガサ入れ。
植物状態のパワーズが髄液を採取される製造拠点を確保した。

ある日の生鮮スーパー前。コナーはいつものように仲間たちと共に、雇い主を待っている。
赤いバンが止まり、2級以上の電撃系を募集。
仲間は「トラストの連中だから止めておけ」と忠告するが、金が必要なコナーは車へ。
前金を要求する強気なコナーを気に入り、ギャレットは彼を雇い入れた。

チームはコナーを含めて4人。ギャレットは念動力。喋れないフレディは強化系。マディは炎系。
車は深夜の化学工場に到着。
コナーの仕事は1万ボルトの電流が流れるフェンスの無力化。
耐性を活かしてフェンスを掴み、大量の電気を逆流させて電源装置をショートさせた。
マディが鍵を焼き切り、全員はゲートを抜けて施設内へ。
フレディが水素の入ったドラム缶をバンに軽々と運び、ギャレットが深夜労働者のトランシーバーを離れた位置から奪い取った。

自動車整備工場、A1オートサービスの地下には、リーダーのマーカスが根城にしているナイトクラブがある。
盗み仕事を終えたコナーは、ギャレットに連れられて店内へ。
丁度、トラストのボスであるウェズリーが訪れていた。上納金の支払いが遅れているための催促。マーカスは、運営していたサイクの製造拠点をガサ入れされて苦しい状況。期限は1週間だった。

コナーが300ドルの報酬を手にした翌日。小汚いダイナーに集まり、4人で打ち合わせ。
危険な仕事に参加する理由については「母の治療費が必要だから」と正直に答えた。
マーカスの助手としてみかじめ料の集金に参加しつつ、廃屋で修行を開始。3日後の銀行強盗に向けて能力を鍛えてゆく。

⚡〈中盤〉🏦🦹🏻
夜更けのドミニオン銀行。4人はマスクを被り、正面玄関から入店。2人の警備員をスタンと念力で無力化。マシンガンを奪い、まばらな客には床に伏せるように指示。
コナーが金庫前の認証扉をショートさせて先へ。
警報が発動し、ドローンが到着するまでは7分間の猶予がある。
マーカスが受付のエミリーを脅迫して、奥のダイヤル錠を開かせた。
――あるはずの大金が見当たらない。
無事に金庫内に侵入はできたのだが、想定していた50万ドルには程遠い光景。

エミリーの話では、夕方の4時に別の場所に移したのだとか。
5万ドルを奪って裏口から脱出。上空に現れたドローンを、コナーがライトニングブラストで撃墜。
無事にマーカスのアジトに帰還したが、不正確な情報でギャレットと口論に。
そこへ、制裁を加えるためにトラストの暗殺者がハンドガンを持って襲来。コナーが食い止めるも腕を負傷。
マーカスの彼女であるニアに治してもらい、能力がレアなヒーリング。父親の借金が原因で、病気のマーカスに仕えているのだと分かった。

自宅に戻ったコナー。母に心配をかけたくなくて、収入の増加は就職ができたから、と嘘をついていた。
母の症状が悪化し、緊急入院。医師の説明では、すぐにでも脳の腫瘍を摘出しないと危険な状態。だが、治療費どころか、週7000ドルの入院費が捻出できない。
病院を出て駐車場に向かうと、警察官のパークとデイビスの姿が。水素強盗の現場に残された電撃系の痕跡から目星をつけられていた。
パークは家庭の事情を把握していて、マーカスの逮捕に協力すれば、力になると約束してくれた。

アジトを来訪。マーカスの能力は読心術なので、コナーが警察で何も喋っていないのはすぐに伝わった。
ギャレットは、警察が押収したサイクを奪い返し、路上でさばいて1000万ドルを調達する計画。成功した暁には、コナーはニアの援助を、ギャレットは縄張りの半分を要求。マーカスは笑顔で承諾して後輩と握手した。

⚡〈終盤〉🚧🪛
焼却場に向かうサイクの輸送車を街の中心部。ドローンが侵入できないビルの密集地で狙う計画。
フレディたちが工事現場を装い、道路を封鎖。輸送車を監視カメラの少ない地区へ誘導。
ゴミ収集車を運転するギャレットが十字路から飛び出して進路を妨害した。
停車した輸送車に向け、コナーのライトニングブラストが炸裂して開戦。2機のガーディアンがアスファルトにつっぷした。
残りの2機をギャレットが両手から放つ念力でうつぶせに。駆けつけたコナーが2機の頭部をショート。機能停止させた。

マディが輸送車のバックドアを焼いて穴を開け、車内にスモークグレネードを投下。催涙ガスで苦しむ警官たちは路上に脱出して降伏。無事にサイクの入った2つのアタッシュケースを入手するが。
お目付け役で帯同していたレイナーの部隊が警官たちを銃殺してしまう。
さらにマディも背後から頭を撃ち抜かれて即死。
場は騒然とするが、ドローンから投下された2機のガーディアンが襲来。混乱に乗じて、コナーたちは逃走。
足止めを担当していたレイナーの部下2名が抵抗するもあの世行きに。

逃走中に背後から銃弾を腹に受けていたフレディも死亡。廃屋に逃げ込むも、ギャレットとコナーの2人だけに。
「あんたが欲をかいたせいだっ」
口論の末、コナーはギャレットと別れた。その後、理解のある捜査官、パークとダイナーで接触。
マーカスのアジトをリークした。

警察官4人が殉職した銀行強盗への弔い合戦。マーカスのアジトに特殊部隊が突入し、昼間のナイトクラブは戦場に。
マシンガンの弾が飛び交うも、ガーディアンによってギャングたちが駆逐されてゆく。
マーカスは、用心棒のレイナーと共に退避。地下通路から車のあるガレージに到着するも、ギャレットが待ち伏せ。マーカスはハンドガンの弾を胸に喰らって転倒。
強化系のレイナーに向かって残りの全弾を撃ち込むが、倒れない。
全速力で距離をつめてくる筋肉お化けを、テレキネシスで押し返し、寸前で止める。念力をパワーで押し返してくるレイナーに、コナーがスタン。2対1の殴り合いに。

ギャレットが工具の山から針ヤスリを入手。レイナーのディフェンスする手を念力でどかし、左目に突き刺した。
動きのにぶったレイナーの目から生えた避雷針目掛け、コナーが渾身の電撃波。
怪物の脳を焼き切った。

ギャレットが死にかけのリーダーに止めを刺し、ニアが合流するが。
ヒーリングの能力は命の移し替えであり、母メアリーの命を救えば、ニアが死ぬのだと聞かされる。
ギャレットは「目的を果たせ」と告げて姿を消した。

病院の個室。眠っているメアリー相手に、ニアのヒーリングがはじまるが、治ってゆく中年の体と対照的に、ニアの若い体が朽ちてゆく。
コナーの脳裏に優しかった母の姿が走馬灯して、
「もういい」と治癒を遮断した。
メアリーは少しだけ目を覚まして息子と最後の時をすごした。
手を握って見つめ合っていた。母は息子に微笑みを浮かべ、静かに瞼を閉じた。

警察官4人の殉職を切っ掛けに、超能力の使用を禁じた法案が成立。
街ではパワーズによる抗議デモが行われている。
一方、ギャレットは1000万ドル相当のサイクをさばき、トラストのボス、ウェズリーに要求額の2倍の上納金を手渡した。
マーカスが牛耳っていた縄張りはギャレットが引き継ぐことに。
コナーは、母の墓標の前で別れの挨拶。罪を償う道へと歩んでゆく。
ニアは刑務所に入っている父と面談。借金を理由にマーカスの奴隷にされていた生活から解放され、久しぶりに笑顔をみせていた。


【映画を振り返って】🪦🧢
迫害。
不法移民の物語を、超能力者に置き換えて、エンタメに仕上げてある。
SFと社会の問題が見事に融合している。
制服を着た警察官の恐ろしさと、マイノリティの不当な扱い。
日雇い労働のバンに乗せられて、犯罪に巻き込まれてゆく過程も現実そのもの。
こんなに貧困層と地続きの娯楽映画もない。

🚐募集。
赤いバンの一行に雇われるのだが、パーティが炎系と強化系と念力で電気柵が突破できない。そのため、電撃系の主人公、コナーが雇われる。
MMOの酒場で人員を募集していたパーティに合流して、クエストに参加する流れそのもので、RPG好きには馴染みの光景。

明日の仕事に響くから、早めに抜けたいけど、他のメンバーに迷惑がかかるので、途中で抜けられない経験と、コナーの姿が重なって苦笑い。
ヤンキー系のリーダーが「まだ大丈夫だよな?」圧をかけてくる姿まで同じだ。

……電撃を放つ主人公で、ピカチュウを想像してしまうのは仕方ないか。

💰ギャングの強盗ものへ。
現代を舞台にしたクライムと同じ内容で残念。
ただ、超能力が活きていないかと言えばそうでもなく、停電にさせられるので効果的。
それより、警察や銀行側が、電撃系への防御方法が確立していないのが気になる。
そもそも、ロボットが活躍する時代に、電子マネーではなく、現金を強盗するレトロな世界ではある。
(別宇宙と考えればいいか。6年前の映画だしね)

💪超能力がレベル依存。
実力が乏しいと軽い力しか発揮できないので、脳筋だと扱いが難しい。念力を使うギャレットも、人を浮かせられないので、レイナー相手に打撃を押し返すのもやっと。
自分を浮かせて飛行できるようになるには、相当な修行が必要だろう。
オープニングでは、建設現場で鉄骨が浮かんでいたので、ギャレットの能力が低いだけかも。
それか、魔法防御力のように、相手のレベル次第で耐久値が上昇するとか。

能力が非力な分、工夫が必要で、クライマックスでの師匠と弟子の連携には痺れた。
ただ、サイクによるドーピング。読心術を活かした戦闘と、その対策などが描かれていなかったのは残念だった。

『CODE 8/コード・エイト Part II』👧🏻
Netflixで今年公開された続編。
監督と脚本家はそのまま。
刑務所から出て来たコナーが、聖杯の力を持つ少女を守る『ターミネーター』のようなアクション映画に。
わたしの心には響かなかったので、レビューは控えます。

Ⅱの登場に合わせて、Ⅰもストリーミングのランキングに再登場。
早々に姿を消したⅡと比べて、Ⅰは長らく居座っていました。
英語圏では、Ⅰの面白さが共有できていたので、嬉しかったです。
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