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17歳の瞳に映る世界のkazu1961のレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
3.7
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-026
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋女性二人の数日間を描いたロードムービー。主人公の17歳のオータム。予期せぬ妊娠をしたことで、いとこのスカイラーと共にペンシルベニアからニューヨークへ堕胎のために向かいます。。。そんな中で彼女たちの人生が浮き彫りになっていきます。女性であることの傷み、またそれを利用することの機知、交錯する思春期の感情と普遍的な女性を取り巻く環境を静かにドキュメンタリータッチで、心情に訴えかけてきます。観てる側からすると最後まで無事に、と祈るような気持ちで見守ったそんな作品です。

🖋一番印象的なのは主人公のオータムが
どうしてこんなことになったのか一切語らないこと。カウンセラーとの設問の中で、彼女が静かに見せる涙はが全てを語っているように思います(まさしくこの設問が原題なので、邦題は少し違和感を感じますね。。。)。ヒットマン監督の演出は素晴らしく、台詞と音楽を最小限に抑え、代わりに人物のクローズアップを多用していることで少女たちの心情がリアルに伝わってきます。

🖋そして見事な演技で作品にリアリティを与えるのはシドニー・フラニガンとタリア・ライダー。注目株の新鋭のふたりの豊かな感受性とずば抜けた洗練性を持って等身大の女性を見事に演じています。

🖋本作、思春期の感情と普遍的な問題をあぶり出し、ベルリン国際映画祭銀熊賞、サンダンス映画祭2020ネオリアリズム賞を獲得した作品です。大きな出来事が起きなくても、夢中で彼女たちの行方を見守る、そんな素敵な作品です。

😌Story:(参考: 公式サイト)
ペンシルベニア州に住むオータムは、愛想がなく、友達も少ない17歳の高校生。ある日、オータムは予期せず妊娠していたことを知る。ペンシルベニア州では未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている、いとこであり唯一の親友スカイラーは、オータムの異変に気づき、ふたりで事態を解決するため、ニューヨークへ向かう……。

🔸Database🔸
・邦題 :『17歳の瞳に映る世界』
・原題 :『Never Rarely Sometimes Always』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 2020
・日本公開 : 2021/07/16
・上映時間 : 101分
・受賞 : ※※※
・監督 : エリザ・ヒットマン
・脚本 : エリザ・ヒットマン
・原作 : ※※※
・撮影 : エレーヌ・ルヴァール
・音楽 : ジュリア・ホルター
・出演 : シドニー・フラニガン、タリア・ライダー、テオドール・ペルラン、ライアン・エッゴールド

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
新鋭女性監督エリザ・ヒットマンが少女たちの勇敢な旅路を描き、第70回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)受賞したドラマ。友達も少なく、目立たない17歳の高校生のオータムは、ある日妊娠していたことを知る。彼女の住むペンシルベニアでは未成年者は両親の同意がなければ中絶手術を受けることができない。同じスーパーでアルバイトをしている親友でもある従妹のスカイラーは、オータムの異変に気付き、金を工面して、ふたりで中絶に両親の同意が必要ないニューヨークに向かう。性的アイデンティティに悩む青年を描いた「ブルックリンの片隅で」で2017年サンダンス映画祭監督賞を受賞し、一躍注目を集めたエリザ・ヒットマンの長編3作目。「ムーンライト」のバリー・ジェンキンスが製作総指揮に名を連ねる。
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