にょいりん

さよならテレビのにょいりんのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
4.0
テレビ局での報道番組制作は決してジャーナリズムだけでは無く、企業組織としての数字追及がより重要である様子が、テレビ局自らが内部を撮影する事によって生々しく映し出される。その中でキャスター、ジャーナリズム精神を信望する記者、頼りない新人記者、の3人を軸にこの映画が展開していく。
それぞれの報道番組への関わりと葛藤を描いていて面白くみれたけど、後半になんだか感傷的すぎるまとめ方をしていて、作為的すぎるかな、と思った。
ところが、最後にそれを裏返す仕掛けがされていて、ぼんやりとしていたこのドキュメンタリー映画の真の狙いが見えてくる。その仕掛け自体も作為的で特に目新しくはないが、テレビ局が自社の内部事情を撮影したモノを題材に制作したものである事に二重三重の皮肉がきいていて面白かった。
それと視聴率テコ入れのために、コア視聴者の60~70代に合わせて、番組のメインキャスターを若手から同年代のベテランに代える場面を観て、ああテレビ終わってるなってつくづくと実感した。