Tully

名探偵コナン 緋色の弾丸のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、15年前のアメリカで起きた、ある事件が描かれて始まる。追われて逃げ惑う男が撃たれるが、これがどう後に繋がっていくのか。そして、世界最大のスポーツの祭典 「WSG」 の記念すべき東京開催を迎える日本。開会式に合わせ、「真空超電導リニア」 が開通することが発表された。日本の技術を総結集した、最高時速1000キロを誇る世界初のものだ。4年に一度というこの大イベントが、オリンピックを彷彿させる。オリンピックイヤーに合わせた作品だったので、同じく延期となったよう。名だたる大会スポンサーたちが、一同にパーティー会場に集う。そこで園子の父が行方不明となり、企業のトップが相次いで拉致される事態に。その裏には、事件を監視する赤井秀一と、赤井からの指令を待つFBIの姿が。赤井とコナンがタッグを組み、共に事件の謎に挑んでいく。コナンは、15年前のアメリカで起きた連続拉致事件と関連があると推理する。やがて当時の事件も、FBIの管轄だったことが判明する。前半は、推理中心で大きな動きはなく、やや地味な展開。直前である人物と共に乗ったコナンは、車内で重要人物を発見する。
車内という密室の限られた空間内で、スリリングな駆け引きが始まる。犯人の正体が早々に明かされ、冒頭との関連性が明らかになる。事件の真相を追う謎解き要素が面白くて、緊迫感がありサスペンスフル。赤井の射撃の名手であるスキルを生かした活躍ぶりも、カッコ良かった。また、どんどんと壮大なスケール感となり、大スペクタクルな戦いに発展。犯人の一人が分かっても、まだまだ終わらず解決しないのが良かった。共犯者が判明し、リニアも止まる事無く、さらに暴走を続けていく。リニア内のコナンと、新感線内の灰原哀、車外の赤井ファミリーとの連携プレイ。互いに連絡を取り合いながら、共にこの事件にあの手この手で挑む。赤井たちは知恵を結集し、FBIも動いて共に犯人を追い詰めていく。アニメながら、ド派手なカーチェイスは迫力があってドキドキもの。スピード感があって、目まぐるしい攻防戦にハラハラさせられる。クライマックスでは、得意のコナンのガジェットを生かして大活躍する。お約束だが、コナンが果敢にも無謀なチャレンジに挑む姿にワクワクする。その過程で、蘭や仲間との絆や友情を再確認するのも、胸が熱い。超大規模に破壊しまくり、物凄い大事故になる規模が想定外でビックリ。奇跡的過ぎるくらいの勢いだが、コナンにリアリティを求めていないし。このくらいぶっ飛んでいる方が、むしろ爽快だし感動的だった。豪快で壮大なラストの展開に、興奮してテンション上がったなー。久しぶりにコナンの世界観を感じさせて、感動したし嬉しくなった。前半の地味さが吹っ飛んで、終わってみれば 「面白かったー!」 と大満足しました。個性豊かなキャラクターたちが、それぞれに活躍の場があるのも楽しいし。随所で微笑ましい笑いが盛り込まれているのも、らしくて良かった。アニメの良さを生かした、壮大なスペクタクル・アクションが楽しめた。
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