パーフェクト・ドライバー／成功確率100％の女
天才的なドライビングテクニックを持つウナは、ワケありの荷物を届ける特殊配送会社 "特送" で働いている。彼女はある日、海外への逃亡を図る賭博ブローカーと、その息子ソウォンを港まで運ぶという依頼を引き受ける。
女性版 "トランスポーター" といった雰囲気で、ウナがジュース片手に涼しい顔で、街中を猛スピードで駆け抜け、大通りから路地裏まで縦横無尽に突き進む豪快なカーアクションが本作の見どころ。とは言え韓国映画独特のバイオレンス描写もきっちり描かれ、ウナが子供を守るために身体を張って必死に戦おうとする姿は胸が熱くなる。
"パラサイト 半地下の家族" で家庭教師と教え子だった二人が、今作では最終的に疑似家族のような関係になっていくのが面白い。ウナの生い立ちをある問題と絡めたことで作品により深みが増している。
ウナのクールで凛としたキャラがパク・ソダムの魅力を存分に引き出し、謳い文句の通り彼女を観るための映画ではあるが、ウナの上司であるペク社長や、国家情報院の女性エージェントなど、脇を固める人物の濃いキャラも、主人公とはまた違う魅力を放つ。
