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バビロンのskmoviesのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.9
チャゼル監督の映画愛が大爆発💥
ラ・ラ・ランドは
大衆向けだったのだと思い知らされた!
これはまた賛否分かれそうだなあ😅

時代は違えどハリウッドで
夢を追う若者たちがベースの物語で
ラ・ラ・ランドが
光にスポットライトを当てているなら、
バビロンは闇がメインだった。

一見、ラ・ラ・ランドより豪華絢爛なのに
ストーリーはもはやドキュメンタリー。

スター俳優、新人俳優、
奏者、映画制作者といろんな視点から
この年代のハリウッドを
俯瞰的に見るような感じだった。

栄光を得たけど取り残されてしまった
ジャックとネリー、
栄光を得ても自分の信念を持って
ハリウッドを離れることを選んだ
シドニーとレディ・フェイ・ジュー、
ハリウッドの一部として
表舞台ではない生き方を模索した
マニーとエレノア。

魅力あるキャラクターたちが
清濁併せ持つハリウッドを
それぞれに生き抜いた姿がかっこよかった。

批評家のエレノアが
ジャックに話した言葉もよかった。

"一度でも光を当てられた人は
時代に取り残され亡くなったとしても
作品を通して永遠に光を当ててもらえる"
というような内容。

マニーの"大きな流れの一部になりたい"、
命乞いをする時の"僕は何者でもない"と
いう言葉と対比しているようで。

ジャックは数々の奥さんは別として
友人やボーイ、メイクさんなど近しい人に
敬意や愛を持って接することができる人。
裏を返せば、繊細な人だからこそ
永遠の栄光があると言われても
現状に耐えきれなかったのだと思う。

サイレントからトーキーの変遷の時代に
謎の死が多かったと言う事実が、
コロナ前から現在に重なっている気がした。
日本だけでなく世界でも
命を絶つアーティストが多かった気がする。
エンターテイメントだけでなく、
世界や常識が変容してる今を
生きていることって貴重なのかもと思えた。
一傍観者として、
テーマによっては当事者として
見届ける、できることがあるかもしれない。

ジャックが奥さんに語っていた
映画の素晴らしさである
"上流階級の人のためではない、
市井の人々の娯楽"も
今やお金のかかる趣味になりつつある。
その救済なのか、サブスク配信が
展開されていることも興味深い。

どうしても納得いかなかったのはラスト。
マニーが「雨に唄えば」と
自身を重ねて涙を流すところが
クライマックスだと思うなあ…😭

影響を与えた映画の映像を流す意味が
理解できなかった。
マニーはチャゼル監督を投影した
キャラクターなのかと
無理やり解釈したけど
そういう訳でもなさそう。

セッションやラ・ラ・ランドなど
終わり方が秀逸なのが
チャゼル作品の良さの一つと思っていたので
今回の終わり方は
「別の人が編集した?」くらいショック😖
(ラ・ラ・ランドは初見は
結末に納得できなかったけども
締め方は素晴らしかった)
アングラ、グロ映像も含め
チャゼル監督の壮大なチャレンジ
だったのかなあ。。

ジャスティン・ハーウィッツの音楽は
今回も最高だった👏
サントラはまた聴きまくると思います🤣
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