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仔鹿物語のひでGのレビュー・感想・評価

仔鹿物語(1946年製作の映画)
4.0
1999本目のレビュー!

映画の記憶。
最近、観た映画の記憶がどんどん薄れていく。
直後はあんなに感動や興奮したのに、勿体無い💦これからは、自分のメモリーとの闘いかもしれないな😆

そして、(多分)この作品が、マイファーストメモリー(最初の映画の記憶)だ!(と思う、、これか、「黒い絨毯」かどっちかだな?😅)

50年前の記憶、家族でテレビ放映を鑑賞し、観た後、気持ちがざわついた感じが残っていた。

このタイトルから、「野生のエルザ」のような、野生動物と家族の感動話とずっと思っていたが、、、

でも、でも、そんな甘いだけの映画じゃなかった。子供だった当時、これはざわつくよ、トラウマになっていたかもしれない。
(この件については後で)

これだけ久しぶりだと再見というより初見に近い。

いやあ〰️かなりクオリティーが高い映画だなあ〜!

野生の中の一軒家。親子3人の生活。
ひとり息子ジョディは、森の動物たちを愛しむように眺めている。
ジョディの優しさと寂しさがそれだけで伝わってくる。
グレゴリーペック演じる父親は、定番のザ・アメリカンダディ!明るく、前向きで
家族思い。
この映画の肝、「仔鹿」のタイトルに隠れている、真のテーマの鍵を握っているのは、母親だと思う。

ジェーン・ワイマンが演じた母親は、生活に追われ、いつも疲れて、イライラしている。
動物を飼いたいというジョディの訴えにも
剣もほろろに突き放す。

この映画を観ていると、母親の冷たさが気になる。グレゴリーペックの父親の明るさと対照的だ。

だか、ジョディの母親は、未だに辛い過去の記憶から抜け出せていなかったのだ。

「仔鹿物語」というタイトルの本作、仔鹿が出てくるのは1時間過ぎてから。
仔鹿ちゃんとジョディくんのふれあいは、
共に走るシーンを重ねて、パッと見せてくれる。(上手いよね、見せ方)

仔鹿は後半から出てくる重要な脇役なのだ。主役ではない。

仔鹿を通して、ジョディの、家族の、過酷な今と、乗り越えなくちゃいけない明日を
表しているんだと思った。

この展開、多分、納得いかない人もいるんだろう。
今だったら、動物保護の観点からも問題が大きい。(勝手に野生動物を拾ってきて、、あんな、、)

でも、それは、ちょっと横に置いておいて、

仔鹿との顛末は、ジョディが一歩大人になるために、
ジョディの親にとっても、乗り越えるきっかけになったんだと思う。

これはとても切なく、辛い出来事だ。
決して、甘くない映画だった。
僕がこの映画を最初の記憶として留めていたのは、トラウトに感じたからなんじゃないかな。

熊と犬の戦いとか、鹿の演技とか、
動物の演出、見せ方も戦後すぐの映画だとは思えないクオリティーの高さだ。

この機会に観れて、本当に良かった。

さあ、次はレビュー2000本目だ!
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