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GEEK BEEF BEATのtetsuのレビュー・感想・評価

GEEK BEEF BEAT(2019年製作の映画)
2.9
色々あって鑑賞。

妻の尻に敷かれる冴えない夫。
内向的な性格ゆえ、日々募る鬱憤を抱えこむ彼だったが、"ラップ"を心の支えとすることで、何とか人生を耐え抜いてきた。
そんな、ある日、彼の愛娘にある出来事が起き...。

前年のムーラボで異彩を放っていた、異色フェイクドキュメンタリー『cat fire』の狐火さん主演作品。
普段は寡黙で頼りないけれど、ラップはスゴいという人物描写が前作と通じているため、『cat fire』の劇映画版という印象が強かったです。
また、コメディと狐火さんとの相性を再確認した作品でもありました。

狐火さんのダサかっこいい魅力が爆発しているため、ファンは必見ですし、
主役夫婦と学校教員の(アドリブを含んでいるであろう)シュールな会話シーンには、福田雄一作品のようなユルい笑いがありました。
(個人的には、無責任すぎる斉藤先生の下りが好きでした。笑)

ただ、あえてなのか分かりませんが、少し口の動きがズレていて、若干ダサさの残るラップシーンや、面白いのに少し冗長に感じてしまう社歌など、個人的に合わない部分も多々あったので、個人的には『cat fire』の方が好きかもしれません。

後に観た『ブラック校則』では、まさかのクライマックス被りをしていたので、ちょっと笑いました。
とはいえ、もはや日本のゴダールと言っても過言ではない奇をてらったエンドロールなど、斬新な手法に挑戦している点では、かなり評価できる作品だと思いました。
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