映画初心者

カモン カモンの映画初心者のレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.6
極上。見ていて飽きることがなく、ずっと見ていれるような作品でした。素晴らしい。見始める前は「クレイマー、クレイマー」のような作品かと思っていましたが、全く違う作品でした。クレイマーよりこちらの方が好きです。

見ていてあぁこんな映画作りたい!と思わせてくれる作品は自分にとって大切な作品。

良い点挙げるとキリがないのですが、まずは飽きさせない見せる力が凄い。伯父と子の交流が微笑ましくニヤニヤしてしまう点、映像的に美しい点、そして編集と音。

この作品の編集がちょっと特徴的。PVのようなインサートをガンガン入れてくる作品でした。口頭のみの説明はあまりなく、口頭+インサート映像でテンポよく映像が切り替わる。そのリズム感が速くなく遅くなくちょうど良かった。

音。BGMが頻繁にかかるものの、かからないシーンでの静けさが心地いい。主人公が音を収集するのですが、その音の演出もあったりで薄い作品では全然なく、むしろこってりな作品

伯父と子の交流を描く非常にシンプルな映画ですが王道な物語になっていない。子、そして大人の視点それぞれから他者を理解する物語。他者は他者であるということ、最終的にお互いが完全に理解し合うことはないがそれはそれでいい、他者なのだからと。一夏の冒険のようなロードムービーのような後味の良さもあって良い。「カモンカモン」を「先へ先へ」と訳したのも良かった。

白黒映像。白黒にすることでノスタルジーさもありますが、音の効果もあってか伯父と子の2人だけの世界のような印象がしました。あまり他者との交流シーンが少ないのもあるかもしれません。映像がとても美しく、美術小道具なんかも良かったりで見応えがありました。

ホアキンの目尻の皺が良かった。物語っている感じがして。

う~んと思うのはラストでしょうか。EDでインタビュー音声が流れるのですが、読後感を阻害している感じが否めない。

【総評】
他者だと理解し合う大人な作品でした。静かながらも飽きさせず、2人のやり取りにはニヤニヤしてしまいました。いくらでも見れてしまう感じで極上。
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