順慶

真実 特別編集版の順慶のレビュー・感想・評価

真実 特別編集版(2019年製作の映画)
3.7
「真実」を見逃していたら「特別編集版」が公開されていた。どこが違うかわからないけど、ちょっと長いようだ。日曜の昼間。満席だった。

是枝裕和がフランスで撮影したというか、フランス映画を撮った。
大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版することになり、劇作家の娘ルュミエールとテレビ俳優の夫ハンク(アメリカ人)とその娘シャルロットが、フランスの実家に帰ることになる。
結婚式以来会っていなかったファビエンヌとハンク。ちょっと緊張感がある。

やっぱり家族の映画で、これは母と娘の映画。
「真実」という自伝には、真実が書かれておらず、ファビエンヌも「真実なんてつまらない」と言ってのける。しかしストーリーが進むにつれて、ファビエンヌの真実がわかってくる。
絶妙に仲が悪い。言いたいことははっきり言い合う。で、フランス人は母娘で性の話もオープンだ。

ファビエンヌの撮影中の作品がちょっとややこしくて、現実と同じように母娘のストーリーなんだけどSF設定。ファビエンヌが娘で母の方が若いという立場が逆転している。

死んだことになっているファビエンヌの夫ピエールが帰ってきたりして、ちょっと騒がしくなる数日間。コメディ要素もあったり、楽しませてくれる。

これは是枝監督の女優論なんだろうか? 日本の役者を使うと角が立つので、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴとジュリエットビノシュを起用したのかと思ってしまう。

アメリカに帰る直前のルュミエールの顔のアップ表情は最高によかった。それからファビエンヌの犬の散歩も。
あと、ダメンズ的なハンクは子どもと遊ぶことしかできないのもよかった。
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