いまさらながら鑑賞。
まず、夫が落ちて死ぬ。
事件か事故か。それを法廷で争うストーリー。
構造としてはミステリーなんだけど、事実を明らかにする作品ではない。
弁護士のセリフにあるように、「どう思われるか」を見せていく。
法廷での夫婦喧嘩のシーンは、気まずい。結構長いし、法廷では会話と音だけが流れる。次第に声を荒らげ、何かが割れる音。何かを叩く音。ヒリヒリする。
作家としての仕事のこと、フランス人とドイツ人の夫婦の問題。
そんなことも浮き彫りになっていく。
で、目の不自由な息子のダニエル。屋根裏の部屋に入って、父親の跡をたどるシーンが印象的だった。
何か大きなメッセージにつながることもなく、ただあの家庭の問題が明らかになっていく。それに特に大きな問題を抱えている家庭のようにも見せない。
いつ自分にも降りかかってくるかもわからない不幸にも感じる。
あの犬はいい演技をしていた。さすがパルムドッグ賞。クスリを飲んで瀕死になるシーンが、一番ヒヤヒヤした。
久しぶりのシネリーブル梅田は、テアトル梅田に変わっていて、めちゃくちゃかっこよくリニューアルしていた。