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ペティコート作戦のHKのレビュー・感想・評価

ペティコート作戦(1959年製作の映画)
4.0
潜水艦映画と言えば、私はこれがベスト。
『ティファニーで朝食を』や『ピンク・パンサー』シリーズのブレイク・エドワーズ監督作の中でも私のベスト3に入ります。
ちなみにその3本は『地上最大の脱出作戦』(ひどい邦題)と『暗闇でドッキリ』と本作。
コメディが嫌いな人以外はおススメです。

戦争映画でコメディというと眉をしかめる人もいますが、本作は第二次大戦中の軍の話ながら『地上最大の~』と同じく死亡者はゼロ。戦闘シーンもほぼナシ。
『地上最大~』は殺し合うなんてバカバカしいと敵味方が結託してニセの戦闘(戦争ごっこ)をする話でしたが、本作では作戦途中で美人衛生兵たちを救助したことで巻き起こる潜水艦の珍道中が描かれます。

この潜水艦シータイガー号(パンサーにして欲しかった)、出航直前にいきなり撃沈され、引き上げて応急処置をしたものの、運行中つねにトイレが詰まったような音を立て、エンジンからは時々黒煙が上がる始末。
途中、物資不足で修復用のペンキが白と赤しか手に入らず、混ぜるとピンクの潜水艦になり、無線機も故障したことから敵味方両軍から怪しい潜水艦として攻撃されるはめに。

職務に忠実な海軍少佐のイケオジ艦長にケイリー・グラント。
他は無能ながらプレイボーイで抜群の物資調達力をもつ新任の副官にトニー・カーティス。
なんでも調達してくる(盗んでくる)カーティスは、『大脱走』の調達屋ジェームズ・ガーナーを思い出させますが、調達屋はコミカルなネタに打って付けなんでしょう。

途中から乗り込んでくる美人衛生兵に『コマンチェロ』の少ない出番でブロンド・ヘアが目立っていたジョーン・オブライエンは本作ではブルネット。どっちが本当?
他にダイナ・メリルもモデルのようなブロンド美人。
艦長の補佐役の少尉の顔に見覚えがあると思ったらTV『奥様は魔女』の2代目ダーリンのディック・サージャントでした。懐かしい。

原題は“Operation Petticoat”で邦題は直訳。この作戦はラストで登場。
エドワーズ監督初期の作品なので音楽はまだヘンリー・マンシーニじゃなくてジョセフ・ガーセンソンという人。
初めて観たのは昔のTV洋画劇場でカーティスの吹替はもちろん広川太一郎。
TV枠は90分程度だったので124分のフルバージョンを観たのは今回が初めてですが、充分に堪能しました。
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