もりりた

花束みたいな恋をしたのもりりたのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.0
カフェでイヤホンを共有するカップルに苦言する麦と絹。注意しようと同じタイミングで立ち上がり目が合う2人。彼らはかつての恋人同士だった。
運命的な出会いで始まった恋愛。楽しい時間が時と共に変わる様が描かれ、恋人関係特有の甘さと脆さが沁みてくる。ドンピシャだった麦と絹の価値観がどんどんズレていくのが切なかった💦

2人の思考がキャッチボールみたく語られるのが面白かった。「ほぼうちの本棚じゃん」「絵、好きですって言われた」好意が膨らむ様子も一緒で微笑ましい。逆に相容れない時期は2人してネガティブですれ違いはどんどん加速。別れの時でありながら意思疎通は取れているという皮肉さが悲しい😭

価値観が変わる麦の姿はある程度共感できるけど性格の変化は極端だったかな。絹に対してどんどん刺々しくなり「母親になれば良いじゃん」と繰り返す様子は突飛すぎて異常性が強調されていた感じ。その分ラストのファミレスでガツンと客観視させられるシーンに繋がるけど、穏やかで静かな変化の方がリアルで良かったな…

とはいえ仲良し期の2人は自然体の楽しさに溢れていて、相手のことを思い出してしまう "花の名前" 的な思い出が花束のように蓄積されていった過程が伝わって来ました。切ない顛末だけど恋人と過ごす時間の尊さを再認識できる作品です!
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