猫目

すばらしき世界の猫目のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
3.8
ここまで適材適所な役者さん勢揃いの邦画を久しぶりに観ましたよ。役所広司さん、感情の振れ幅の多い三上さんを時に激しく時にチャーミングに演じていらっしゃいました。演技とは分かっていながらも、画面の向こうは物事をゼロか100でしか見れない直情的で不器用な中年男の姿がそのまんま存在していました。脇を固める布陣も役所さんのお陰で引き立つような映画でした。元ヤ◯ザのお話なのにジャズを多用して東京夜景の上空撮影、玉ボケを使った絵造りも素敵。
そして最後に出るタイトル!これがタイミング良すぎでした。考えさせる余韻を残しました。

人生の大半を刑務所で過ごしてきた三上さんにカタギの世界はどう映ったんだろう?「社会全体の問題だから!」と息巻いて元ヤクザの半生をドキュメンタリーに仕立てあげようとするTV局の長澤まさみの言葉の薄っぺらいこと。使えそうにないと分かったらサクッと切り捨てる。
それよりお産の時の話を聞きたいので実母を探し出したいと素直に訴える三上さんの心の方が純粋ではと思ってしまった。純粋なだけではやっていけない、娑婆は生きづらい。「もう少しいい加減に生きよう」by梶芽衣子さん
犯罪は犯さない方が断然良いですけどね。

アチラの世界の人の「ひとっ風呂浴びてください」はお姉さん付きの風呂🛀ことなのね笑
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