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すばらしき世界のkazu1961のレビュー・感想・評価

すばらしき世界(2021年製作の映画)
4.5
▪️JPTitle :「すばらしき世界」
ORTitle: ※※※
▪️First Release Year : 2021
▪️JP Release Date : 2021/02/11
▪️Production Country : 日本
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-078
🕰Running Time : 126分
▪️Director : 西川美和
▪️Writer : 佐木隆三(原作)、西川美和
▪️MusicD : 林正樹
▪️Cast : 役所広司、仲野太賀、長澤まさみ、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、安田成美
▪️Review
“西川美和×役所広司”、面白くないわけがないですよね!!期待を超える素晴らしい作品でした!
とにかく主人公三上を演じる役所広司の演技は圧感!!喜怒哀楽、細かな表情の作り方、ただひたすら圧倒されます。正義感と凶暴性を兼ね備えた主人公を演じ、本当に説得力のある演技には観入ってしまいます。
殺人罪での13年間の刑期を経て、外の世界に足を踏み出した主人公の三上。本作は、人生の大半を刑務所の中で過ごしてきた彼が、自分の過去をたぐり寄せながらも一般社会に溶け込もうと努力する姿を描いた力作です。そこには光と影が。。。人々が生きるこの世界は、本当に価値がある世界なのか?(すばらしき世界なのか?)と真正面から突きつけてきます。実話を超えた映像と物語の泣き笑い、ほんと素晴らしい作品でした。。。
いくつかの印象に残るシーン。三上が施設に母の手がかりを探しにやってきて、施設の子供たちとサッカーをし突然泣き崩れるシーン、その
後の津乃田との銭湯のシーンで涙してしまいました。そしてラストシーン、やるせないほど切ないですが、その前に三上にとっての“すばらしき世界”が映し出されて、もう号泣MAXでした。

本作、直木賞作家・佐木隆三のノンフィクション小説「身分帳」をベースに時代設定を現代に置き換え、実在の人物をモデルとした主人公の数奇な人生を通して、人間の愛おしさや痛々しさ、社会の光と影をあぶり出す力作です。
主演を務める役所広司は、本作で第56回シカゴ国際映画祭インターナショナル コンペティション部門にて最優秀演技賞を受賞しました。その他、共演に仲野太賀、長澤まさみ、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、白竜、キムラ緑子、安田成美らが名を連ね、西川美和監督のもと素晴らしいキャストが集まりました(参考:公式HP)

先日観た『ヤクザと家族 The family』と同様なメッセージが含まれていますが、前者が救いようがないのに対して、本作は希望と温かさを残す作品でした。それにしても最近の日本映画のレベルは凄いですね!!西川美和監督の今後にさらに期待です!

物語は。。。
13年の刑期を終えて下町の片隅で暮らす元殺人犯の三上のもとに、テレビマンの津乃田と吉澤が現れます。一度は社会のレールを外れたが再生したいと悪戦苦闘する三上の姿を、彼らはおもしろおかしくテレビ番組にしようともくろんでいたのでした。そのまっすぐすぎる性格がゆえに三上はトラブルばかり引き起こしますが、いつしかそんな三上との交流が津乃田と吉澤をはじめとする周囲の人々に影響を与えていきます。。。

▪️Overview (映画. comより)
「ゆれる」「永い言い訳」の西川美和監督が役所広司と初タッグを組んだ人間ドラマ。これまですべてオリジナル脚本の映画を手がけたきた西川監督にとって初めて小説原案の作品となり、直木賞作家・佐木隆三が実在の人物をモデルにつづった小説「身分帳」を原案に、舞台を原作から約35年後の現代に置き換え、人生の大半を裏社会と刑務所で過ごした男の再出発の日々を描く。殺人を犯し13年の刑期を終えた三上は、目まぐるしく変化する社会からすっかり取り残され、身元引受人の弁護士・庄司らの助けを借りながら自立を目指していた。そんなある日、生き別れた母を探す三上に、若手テレビディレクターの津乃田とやり手のプロデューサーの吉澤が近づいてくる。彼らは、社会に適応しようとあがきながら、生き別れた母親を捜す三上の姿を感動ドキュメンタリーに仕立て上げようとしていたが……。
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