ゆっきー

外交伝書史の鞄のゆっきーのレビュー・感想・評価

外交伝書史の鞄(1927年製作の映画)
3.5
普通にアメリカ的な活劇で逆に驚いた。
タイトルは所謂典型的なマクガフィンってやつ。手紙を託された水夫と、追っ手の警察官のやり合い。土砂降りの夜の線路上で、友人の亡骸を抱えて血まみれで叫ぶ男のオープニングはインパクト大。

ドヴジェンコ自身も機関士役で出演。 
連れ込まれた外交官が鉄道工夫の家に連れ込まれ、そこに追っ手が来て、ポーチを託された子供がコートに隠れるシークエンスはなかなか面白い。ポーツマスの街中をドキュメンタリー風に撮ったシークエンスも良かった。鉄道と回転する窓!


まぁ、でも面白さは後半失速。ラスト、夜のデッキのシーンでの追っ手二人を海に葬る影の演出はなかなか良かった。コンサートを見て拍手する金持ち達と、海に葬られる追っ手のカットバックも笑える。あとドヴジェンコは地味に窓を使う、窓の作家だなぁ。
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