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辰巳のMGのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
3.0
・リアルで自然な演技。台詞も説明的じゃない。画もカッコよかった。日本映画特有のダサさが全くなくて、日本映画なのに洋画みたいな感じでカッコよかった。この点はかなり大きいと思った。

・どの役もみんな顔がめちゃくちゃ良くて、キャラクター・演技がめちゃくちゃ素晴らしかった。有名じゃないだけで、演技のレベルが全体的にめちゃ高いと感じた。わざとらしくなくてリアルで、各々がこの世界の中で本当に生きていると思わされる説得力があった。

・役者さんがあんまり有名じゃない点はアドバンテージだと思った。知ってる役者さんだと余計な情報が頭に入っちゃってるから、どうしても100%そのキャラとして見れなかったりするけど、その映画の中で初めて見る場合は、よりその世界のキャラとして見ることができると思った。

・特に主人公の役者さんがめちゃくちゃ良かった。顔は何かで見たことあるなぁと思って調べたらのだめのドラマで超どうでもいい役で出てて、あの人か!となった。超もったいない。人間的な魅力・格好良さ・味が乗っかってる感じがして、めちゃくちゃ格好良かった。

・女の子の演技も凄まじかった。

・主要登場人物が少なくて、子供と年長者が組んで宿敵との対決する感じはグラントリノとかレオンみたいだった。

・スマホじゃなくてガラケーだったり、車種が古かったりするから、2000年代くらいかな?スマホとか新しめの車じゃない感じが独特の渇いたカッコいい雰囲気を醸し出してると思った。あの古いタイプの車もだんだんカッコよく見えてきた。

・台詞が全くない表情だけのリアクションを長写しするシーンが印象的だった。思ってるより1.5倍くらい長く引っ張って見せられることによる、あんまり味わったことのない不思議な感じ。あれ?まだ…?と引き付けられて、何にも喋らないのに演技だけでぐぅっと引き込まれる感じ!独特で凄い!役者さんの表情だけで伝える力がめちゃ凄いからこそできることだと思う。

・主人公が普通だったらもっとすぐ女の子を助けそうだけど、全然女の子を助けてくれないし、結構差し出しちゃったりするドライな所が結構新鮮だった。

・特に好き&凄いと思ったシーン
①女の子の困り顔演技からの主人公のしょうがねぇなとなるシーン
②主人公が女の子に顔面にガム飛ばされるシーン
③冒頭のリュウジ怖過ぎシーン
④冒頭の主人公と弟のシーン

・女の子のお姉ちゃんだけちゃんとした職業っぽいし何か1人だけあそこにいるのが浮いちゃってる感じしちゃってて、そこだけ気になった。

・物凄い好きな話というわけではないし、見た直後超最高!となる感じの映画ではないけど、後からじわじわもう一回見たいかも、となる感じ。日本映画でこのカッコ良さを実現したという時点で間違いなく良い映画だと思う。

・何でか分かんないけどこれ系だとレオンとかグラントリノの方が好きだなぁ。

・友達が大絶賛しててもう一回見るつもりだったとのことだったので一緒に見に行った。見終わった後、友達の良かったと思う点を話してくれた。宇多丸さんのラジオで辰巳やってたから聴いてみてとも言われたので聴いてみたら、友達の良かったと思う点のほとんどは宇多丸さんが話していた内容であった…。(ふむふむ自分は全然そんな視点持ってなかったなぁ、凄いなぁ)と思って友達の話を聞いていた自分が馬鹿みたいで恥ずかしくなった。他者の感想を聞いてしまうと自分の感想と混同して分からなくなってしまうので、極力他者の感想を聞かない状態でこの感想を書くようにしようと思った。
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