ボギーパパ

辰巳のボギーパパのレビュー・感想・評価

辰巳(2023年製作の映画)
3.5
劇場2024-34 熊P

2016年8月19日
『渋谷ユーロスペースにて『ケンとカズ』鑑賞。ジャパニーズ・ノワールの代表作となるかもしれない快作。私ノワールも大好きです。
上映終了後、品川ヒロシ監督をお招きしたトークショーあり(SNSご了承)、映画制作秘話も聴けて良かった良かった(^o^)/
それにしても本作の小路監督若いなぁ。30歳だって。この才能もっと見続けたい。』

とFBに記していた。いやぁ〜今思い出しても痛そうで、鑑賞後ぐったりしてしまったことを思い出す。

もっと見続けたい才能・小路監督8年ぶりの作品。
いわゆるヤクザの「一家」の「構成員」間に起こるシノギにおけるピンハネ、横流しによる抗争に、巻き込まれる「少女」と構成員の間に生じる不思議な「絆」の物語。
この「」に囲われているワードを中心にストーリーが動く。

主人公の「構成員(=辰巳)」はまぁまぁ下っ端なのだろう。一家の活動中に発生する死体を処理することを、重宝がられながら専門性を高めるほどに行っている。

「少女」は、ピンハネしていたのであろうことにより、一家に疑いをかけられるヒゲの長い構成員の女の妹。このかけられた嫌疑によりヒゲ長構成員と少女の姉が命を落とす。

そして、この少女はなかなかのハスッパで、喧嘩上等の血気盛んな19歳。この少女が姉の仇に巻き起こす直情径行的行為により、辰巳は怒涛のいざこざに巻き込まれていく。

エッセンスだけ取り出すと
①善悪は別として少女は唯一無二の身内である姉を奪われ
②その怒りから、少女の無軌道な行動により問題発生
③その問題は一家の間に大きな畝りと対立を生み出す
④そのうねりの中少女と辰巳は狙われ、そして流されながらも不思議な絆に結ばれ
⑤一家の論理もある中、辰巳の強い思いで結末に向かう

という感じか、、、、

???
なんかどっかで見たことのある構図とストーリー
西部劇だな、こりゃ!組織に対立する個人の復讐にバディとして助太刀
舞台を日本のヤクザ組織に移した西部劇!
または歌舞伎の仇討ち系演目のような伝統芸能。

あるいはクリント・イーストウッドが作りそうな不思議な絆で結びついた者達の復讐劇。『グラントリノ』『ミリオンダラーベイビー』も似てるかな?
ラストシーンなんかもうよくその感じが出てる。

でも決して猿真似ではなく、あくまでベースに敷いてであり、絵作りもノアールらしく『ケンとカズ』同様荒々しくパワフル。
男達からは汗と、タバコと、血の匂いしか感じられない。まぁよくもあんなヤバそうな人達集められたものだ(^^)

そして少女までも、、、まぁ荒々しい!あの姉と本当に姉妹なの?(そう思わせておいて後ほどこの姉妹の関係性はしっかり説明されている)

下敷きの話の普遍性はともかく、しっかり楽しむことができました。
特に龍司?アイツはヤバい、、、
後、ラグビー〜!
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