hayanomidori

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のhayanomidoriのレビュー・感想・評価

3.5
以前、最初だけ観て怖くて観るのを辞めて→今日初めて最後まで通しで鑑賞。

覚悟していたほどグロさ全開ではなかったけれど、バッドエンドの悲しさには覚悟が無かったので陰鬱な気分が残りました。

ホラー展開になるまでのニコラス・ケイジは、ちょっと変わってるけど常識的で優しくて厳しめのお父さん役が似合っていました。全然家庭に縁が無さそうなイメージの俳優さんですが、こうして観ると本当は家庭大好きで子煩悩なのかも?と思わせるような、普段なかなか観られない家庭的なニコラス・ケイジがそこに居ました。ちょっと意外。



この話を何度目かの映画化に踏み切るには勇気が要ったと思います。この映画には原作の小説があり、もう何度目かの映画化。これの他の映画化を観ていないため比較できませんが、色彩と灰色を対比させながら生命力を抽象的に描く世界観を映像化するのは、自由度が高過ぎるが故に落とし所の見付け方が難しそうです。

やり過ぎても過剰だし、抑え過ぎても対比にならないし、不気味な怪物を全面に出すと怪物映画やゾンビ映画になるし、かと言って色彩の対比のみで変形無しの演技力頼みになれば、「田舎の庭に隕石が落ちて近隣住民が弱って死んだ」だけの話になってしまう。

色彩=生命力/命そのものを奪われまいとして村人が攻防するシーンを如何にして映像表現するか?という点に興味がある人にとっては、最初から最後まで飽きさせない作品だと思います。

ハリウッド的な面白いエンタメを求めて観るには厳しいですが、B級低予算映画好きには楽しい映画です。
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