ガイ・リッチーの映画を観るのは『ロック・ストック…』『スナッチ』以来20数年ぶり。その間の作風を知らんので、良い意味で期待を上回りも下回りもしない面白さだった。
オープニングのジュークボックス、ビール、そして血飛沫、レイジーな曲を背にしたタイトルクレジットの決まり具合はさすが。
ヒュー・グラントが出てきて状況説明的な語りを始めたあたりはやや退屈さを感じたのだが、次々とユニークなキャラクタが登場して入り乱れ、ところどころに悪趣味を交えながらのバイオレンスのキレのよさに次第に惹き込まれていく。悪ガキの使い方が巧いし、コリン・ファレル率いるトドラーズの些かズレた無双っぷりも絶妙。
クライマックスのBGMと軽快なテンポの展開も素晴らしいが、仁義なき戦いの勝者にもう一捻りあってもよかった。