kazu1961

もちのkazu1961のレビュー・感想・評価

もち(2019年製作の映画)
4.4
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-275
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋とっても眩しくて、とっても瑞々しくて、岩手県一関市に住む中学校三年生のユナの中学最後の1年間を描いた作品、大人が忘れてしまったいっぱいの純真な気持ちが心の琴線に響きます。このまま育って欲しいユナ!!頑張って!!と応援したくなる、そんな作品です。

🖋そんなユナの1年間。。。祖母の死、祖父との対話に人生の普遍性を感じ、淡い恋と学校の閉校に涙し、好きな人にプレゼントのお餅をつくる仕草に笑みが溢れる。。。素直にそんな感情に揺さぶられる素敵な作品です。

🖋何と言っても素晴らしいのはその演出。フィクションでありながら、観ている最中はドキュメンタリーに思えてくるそんな仕掛けがほんと素晴らしい。ユナを演じる地元の中学生・佐藤由奈の初々しく凛とした姿の素晴らしさ、地元一関市の人々が出演して、自らの追体験を演じる姿に感動します。

🖋そして全編にわたって描かれる“餅”を中心とした食文化が背景にあるのも、そのリアリティを増すことに大きく貢献しています。土地に残る言葉、伝統、そんなことを大切にしながら描かれた少女の1年間には心動かされます!!

🖋キャッチフレーズは“フィクションなのか、ノンフィクションなのか。実在する人々が演じ、彼らの追体験がドラマになった、奇跡の一作。”。。。まさにその通りの作品です!

😌Story:(参考: 公式サイト)
800年前の景観とほぼ近い姿が守られてきた岩手県一関市本寺地区。山々に囲まれ、冬には雪深くなるこの地で、古くから根付いている「もち」の文化。ひとつの臼(うす)でもちをついて、みんなで食べる―それは当たり前のように、ずっと続いて来た習慣。ここに暮らす中学三年生の少女ユナ。彼女のおばあさんが、ある日亡くなる。葬儀の日。臼と杵でつく昔ながらの方法でどうしても餅をつきたいと頑なに言い張るおじいちゃんだが、ユナにはその気持ちがわからない。でも、ユナはおじいさんの心の機微を感じてそっと寄り添う。餅というものはただの食べ物ではなく、強く、そして深い意味が込められていたー。生徒の減少から中学校は閉校が決まり、最後の一年を終えると学校もなくなる。おばあちゃんの死、閉校とともに友人、憧れの先輩が相次いで離れていく。そんな周囲の変化はユナに「いつか思い出せなくなる」という不安を与える。そして彼女は問う、「努力しないと忘れてしまうものなんて、なんだか本物じゃないみたい」。餅をつく文化と共に、その意味すら消えていきそうになっているこのまちで「忘れたくない」気持ちと「思い出せなくなる」現実の狭間を真剣に受け止め、懸命に生きるユナ。寄る辺のない世の中でその姿は、なぜか強く、確かな生き方に思える。それはきっと、日本の今を生きる私たち自身も気持ちと現実の狭間にいるからー。

🔸Database🔸
・邦題 :『もち』
・原題 : ※※※
・製作国 : 日本
・初公開 : 2019
・日本公開: 2020/07/04
・上映時間 : 60分
・受賞 : ※※※
・監督 : 小松真弓
・脚本 : 小松真弓
・原作 : ※※※
・撮影 : 広川泰士
・音楽 : 明星/Akeboshi
・出演 : 佐藤由奈、蓬田稔、佐藤詩萌、佐々木俊、畠山育王

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
多くのCMやミュージックビデオを手がけた小松真弓監督が、800年前の景観とほぼ近い姿で奇跡的に守られてきた岩手県一関市特有の食文化である「もち」をテーマに、伝統と生きる人びとの現在を描く。一関市の住民の人びとが出演し、言葉や伝統、感情をありのままの形で残すという手法で、ドラマでありながら限りなくドキュメンタリーに近い作品として製作された。岩手県一関市骨寺に暮らす14歳のユナ。おばあちゃんの葬式で、臼と杵でつく昔ながらの方法で餅をつきたいと言い張るおじいちゃん。家族は手間をかけなくても餅つき機でも同じようにおいしい餅が作れると説得するが、おじいちゃんは頑なに昔ながらの方法で餅をつくという。そんなおじいちゃんの心の機微を敏感に感じたユナは、おじいちゃんにそっと寄り添う。
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