伊達巻

罪と罰の伊達巻のレビュー・感想・評価

罪と罰(1983年製作の映画)
3.9
小学生の頃、(表紙がかっこいいからって選んだ)角川文庫の上下巻を読み終えるのに半年だか一年だかかかってしまってそれでも意地で毎日1pとかは読んでたから表紙はボロッボロになり今ではあの頃の匂いを微かに保っているように、ヨレヨレだけど相変わらず厳かな顔で本棚に眠っているこれの原作、もうほとんどヤケクソで読み進めていたから当然なのだが冒頭の殺伐とした雰囲気以外なんにも覚えていないが、この面白いカウリスマキのデビュー作を見て15年ぶりくらいに読み返してやろうかと思えた。分けて観ちゃったから味わい半減で要再見、少し飽きた気がした中盤もなんとなく作品の態度を物語っているような気がしないでもない、というのはちょっと大袈裟かもしれないけれど。ラストに至ってよく喋るけど、その前に好きになっちゃってるから全然聞こうと思う。なんてったって汝塵に還るのだ、からのthe doorsが痺れるったらありゃしない。こんなにいつもショット良かったっけってくらい撮影が素晴らしいと思ったけどとりわけ暗い夜に灯る部屋の光を切り取るショットがめちゃ綺麗だった。
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