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悪なき殺人のkazu1961のレビュー・感想・評価

悪なき殺人(2019年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-068
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋凄く練られた脚本に脱帽!本作のキャッチコピー「人間は偶然には勝てない」というそのものの展開、実に怖いですね。巧妙に仕掛けられた伏線と回収、その都度“そうやったんや!!”と驚きの展開はやっぱり凄いですね!物語が始まってから終わるまでその台詞と出来事を見逃さないようにして感傷するのが肝、何度か観直すとより深くなる作品かもしれません。

🖋雪原、忽然と姿を消した女、射殺された犬、そしてまた姿を消した夫。。。どんよりと曇った雪景色の陰鬱な中、どんどん進行していくミステリーと、それぞれ少しづつの偶然の重なりが、時間軸と共にもつれ合って、人間というものが曝け出されていくその展開はホント素晴らしい。

🖋鬼才ドミニク・モルが、得意のサスペンスに仕立てあげた本作は、同じ出来事を複数の人物の視点で語り直す本作、『ファーゴ』と『バベル』や『羅生門』などを思い出させる手法で描いた極上サスペンス。
そして、そのすべての人の背景にあるのは、孤独な人々の、求めても報われることのない愛を必死に追い求めようとする姿なんです。。。とても深い人間の業。。。良作です。

😨Story:(参考:公式サイト)
フランスの山中にある寒村で、一人の女性が失踪し殺された。疑われたのは農夫・ジョゼフ。ジョゼフと不倫する女・アリス。妻のアリスに隠れてネット恋愛する夫・ミシェル。そして遠く離れたアフリカで詐欺を行うアルマン。秘密を抱えた5人の男女がひとつの殺人事件を介して絡まり合っていく。だが、我々はまだ知らない・・・この事件がフランスから5000kmも離れた場所から始まり、たったひとつの「偶然」が連鎖し、悪意なき人間が殺人者になることを。。。

🔸Database🔸
・邦題 :『悪なき殺人』
・原題 :『Seules les betes』
・製作国 : フランス・ドイツ
・初公開 : 2019
・日本公開 : 2021/12/03
・上映時間 : 116分
・受賞 : ※※※
・監督 : ドミニク・モル
・脚本 : ドミニク・モル、ジル・マルシャン
・原作 : コラン・ニエル『Seules les bêtes』
・撮影 : パトリック・ギリンジェリ
・音楽 : ベネディクト・シーファー
・出演 : ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
「ハリー、見知らぬ友人」のドミニク・モル監督が、ある失踪事件を軸に思いもよらない形でつながっていく5人の男女の物語を描き、2019年・第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞と観客賞を受賞したサスペンス(映画祭上映時タイトルは「動物だけが知っている」)。吹雪の夜、フランスの山間の町で女性が失踪し、殺害された。事件の犯人として疑われた農夫のジョセフ、彼と不倫関係にあったアリス、そして彼女の夫ミシェルなど、それぞれに秘密を抱えた5人の男女の関係が、失踪事件を軸にひも解かれていく。そして彼らが、フランスとアフリカのコートジボワールをつなぐ壮大なミステリーに絡んでいた事実が明らかになっていく。「イングロリアス・バスターズ」のドゥニ・メノーシェが主人公となるミシェル役を演じ、東京国際映画祭で女優賞を受賞したナディア・テレスツィエンキービッツは、ミシェルと思いがけないタイミングでかかわることになるマリオン役を演じている。
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