マルケス

コリーニ事件のマルケスのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
4.0
去年の春はコロナの影響で洋画はほとんど延期か中止。6月半ば、久しぶりに映画館で鑑賞したのがこの作品。

ドイツ法廷が舞台のリーガル・サスペンス。被告のイタリア人コリーニは殺人の動機を頑として話さない。動機を探るうちに重大な事実が浮かび上がる…という筋書きは法廷ドラマの醍醐味。明らかになったコリーニの積年の思いには胸が塞がるばかりだ。
本作の理解には「ドレーアー法」の知識が不可欠らしく、何それ?だったから、ありがたく解説サイトのお世話になりました。

正直な話、「賠償も反省も充分したし、もう俺ら過去から解放されても良くね?」っていう感情がドイツ戦後世代にあったとしても、個人的には理解できる。
それなのに、だ。ナチ党の祖父を持つ(ここ大事)シーラッハが、これまでも指摘されてきた法の抜け穴を突いた小説を発表する。世論が動きドレーアー法に関する調査委員会が設置される。ドイツの映画人が小説を映画化する(映画の方が波及効果が大きい)。
この流れを見ると、彼らの正義に対する見識は高いなあと思うのだった。
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