まっつぁんこ

MONOS 猿と呼ばれし者たちのまっつぁんこのレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
4.0
映画は日本で公開されるのは珍しいコロンビアの映画。
コロンビアは南米で3位の人口と経済規模を誇る豊かな国。
メデジンなど麻薬カルテルのイメージが強いが都市部は近代的に発展している。
多数のゲリラが乱立して内戦状態であったが、2016年にゲリラ組織ファルクと政府の和平交渉が成立。
多くのゲリラが離脱して都市部に戻っているとのこと。

この映画で描かれるのは「モノス」というコードネームで呼ばれる8人の少年少女。
山岳地帯で組織の指示にしたがい、牛を預かり女性の人質を監視している。
若者らしく恋愛もあり仲間の誕生日を祝う姿は無邪気。
それが仲間を手荒くあつかい機関銃をぶっぱなす姿はあぶなっかしい。
案の定事件が発生してリーダーのウルフは自殺に追い込まれる。
高原の風景はマジカルなほど美しい。そこで残酷なドラマが展開。

拠点が戦闘の舞台となり、モノスは人質を確保しながら密林地帯に移動することになる。
新リーダーとなったのはビッグフット。
人質「博士」の逃亡を許すところから歯車が狂っていく。
高原や密林のわりとそばに近代的な都市が屹立。
その間のギャップは日本では想像もつかない。

MONOSのメンバーたちは無邪気なこどもだけど残酷なこともする。
人質「博士」も一筋縄ではいかない人物だ。
他にも印象的なシーン(ネタバレ禁)が多くて凄いMONOを観てしまった。
多くの人に観て欲しい懐の深い映画。
ドメスティックすぎてぼんやり気味の日本人には刺激が強過ぎるかもしれないが(笑)