kazu1961

2人のローマ教皇のkazu1961のレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
4.2
▪️Title :「2人のローマ教皇」
Original Title :「The Two Popes」
▪️Release Date:2019/12/20
▪️Production Country: イギリス・イタリア・アルゼンチン・アメリカ合作
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2020-007
▪️My Review
対話がとても深い、深い、そして感動さえするそんな作品です。
我々には理解し得ない世界ですよね。なにせ教皇は、世界人口の2割弱に当たる13億人の信者を束ねるというポジションだそうです。
一般的には教皇の在位期間は選出から死亡までで、自分から辞任をすることはしません。しかし、ベネディクト16世は2013年2月に辞任を表明し、世界をザワつかせました。歴史上極めて異例の出来事、それは1415年に辞任したグレゴリウス12世以来598年ぶりだそうで、びっくりするのも無理はないです。
本作は、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。
二人の教皇の間に何があったのでしょうか。そんな知られざるローマ教皇の心中を思い切って映画化してしまったのが本作『2人のローマ教皇』なんですね。ベネディクト16世だけでなく、その後に教皇となるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(フランシスコ教皇)も並列して描かれ、この二人の対話がメインになってきます。だからタイトルが「2人」なんですね。
よくこんな題材でドキュメンタリーではなく映画を作れたと思います。。タブーとか全然気にしていません。
そこは、監督は『シティ・オブ・ゴッド』で非常に高い評価を集めたブラジル人の“フェルナンド・メイレレス”。確かにこの人ならどんな題材でも忖度はしなさそうです。
さらに、主役となるベネディクト16世を演じているのは、『羊たちの沈黙』でハンニバルを怪演したことで有名な“アンソニー・ホプキンス”。最近は『マイティ・ソー』シリーズやドラマ『ウエストワールド』でも変わらない名演を披露しています。もう81歳なんですね。まだまだ演技を見たい…。
そんな“アンソニー・ホプキンス”と相対する役を任せられているのが“ジョナサン・プライス”です。『天才作家の妻 40年目の真実』での丁寧な演技も記憶に新しいですね。どっちも強敵、二人の対話に見入って、そして感動してしまいますね!

▪️Overview
「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督がメガホンをとり、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解しあっていく。ベネディクト16世役にアンソニー・ホプキンス、ベルゴリオ役に「天才作家の妻 40年目の真実」のジョナサン・プライス。脚本は「博士と彼女のセオリー」「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテン。Netflixで2019年12月20日から配信。日本では配信に先立つ12月13日から、一部劇場にて公開。
kazu1961

kazu1961