ゑぎ

黄金の大地のゑぎのレビュー・感想・評価

黄金の大地(1953年製作の映画)
4.0
 1910年代のメキシコを舞台とする映画だが、まだ自動車等は登場せず、意匠は完全な西部劇だ。主人公はヴァン・ヘフリンで、金鉱を所有する米人(アイリッシュと名乗っている)。メキシコ政府軍に金鉱を略奪される場面から始まり、ヘフリンは徐々に革命派に加担していくことになる。冒頭の、乗馬による平原でのチェイスシーンから見事な画面造型で瞠目する。

 革命軍側(実は軍というほどの規模ではなく、「一派」ぐらいの表現が適当)の配役として、リーダーにロドルフォ・アコスタ(この人は色んな西部劇で悪役として出ている)がおり、コメディパート的な部下で、ペドロ・ゴンザレス=ゴンザレス(『リオ・ブラボー』のホテルの主人)、盗賊のノア・ビアリー・Jrなどが登場するが、その中に、女戦士でヒロインのジュリー・アダムスもいる。本作のアダムスは、メイクでメキシコ人役を上手く作っている。お定まりのように、ヘフリンとアコスタとの三角関係が描かれるが、アダムスが魅力あふれており納得性がある。(アダムスは『大アマゾンの半魚人』の前年だ。)

 アクション演出の見どころとしては、何と云っても終盤の金鉱を舞台とした、火災シーンと爆破シーンの連打だろう。水路に油を流した上で火を放ち、小屋や設備が炎上する、この最初の火災シーンだけでも、かなりの迫力だが、その後、金鉱の敷地内のあちこちで、ダイナマイトを爆発させるというスペクタクルがたたみかける。サービス精神満点だ。
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