『TAR』に似てるがそれより前の作品
主人公バーナデットはかつて名声を馳せた建築家だったが、現在は専業主婦。その性格は人間嫌いで自己中であり、度々近隣トラブルを起こしていた。そんな中、娘が南極旅行のプランを持ち掛け、賛成するものの本心は行きたくなく、もともとの情緒不安定に拍車がかかってしまう。
バーナデットの性格は『TAR』の主人公にも通じているが、愛する家族がいるのが違っていて、本作の肝となっている。
バーナデットをケイト・ブランシェットが演じることで、主人公が凛として見えるのは流石。
リチャード・リンクレイターは主人公をコミカルに演出し、迷走から生きる目的・意味を見出すまでを描いていて、「人生賛歌」のように締めくくられている。
自分が生きる上での参考にはならないのだが、見た後は爽快感を覚えるような作品だと思う。