スワヒリ亭こゆう

バーナデット ママは行方不明のスワヒリ亭こゆうのレビュー・感想・評価

4.7
ハリウッドで一番の女優さんといえば?「せーの!」で出てくるのはケイト・ブランシェットでしょう。彼女の美しさ、品の良さ、強い女性像、そして本作の様なコメディエンヌとしての才能もある。
本作ではそれに加えてか弱さも演じてみせました。
先程、女優と言いましたが全俳優の中で名実ともにNO.1です。

タイトルにあるバーナデットはケイトが演じる役目です。
愛する一人娘と夫暮らすバーナデット。
夫のエルジーはマイクロソフトに勤めていて、家族でシアトルで暮らしています。そのシアトルにバーナデットの居場所は家庭の中にしかない。
娘のママ友ともいがみ合い、知人や友人はいない。
ご近所トラブルも起こしまくりのバーナデット。
そんな彼女は娘の頼みで家族で南極旅行に行く事になってしまう。
極度の心配性のバーナデットは旅行を回避しようと試みます。

バーナデットは極度の心配性なんです。で、これがストーリーに複雑化していき面白くなっていくんです。
彼女のバックボーンも語られますけど、凄く興味深いキャラクターで愛おしい存在になっています。
ケイトは強い女性像を演じれるんですけど、映画の中で負ける事が出来るんです。
これがアンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョボヴィッチだと負けたらガッカリされてしまう。
けどケイトは負けて励まされる構図もよく似合います。
そこが凄いんですよ。
お笑いでいうとダウンタウンさんです。
平場のトークやネタやすべらない話、大喜利などでは勝ちキャラですけど、笑っては行けないの様な負けキャラの笑いも出来る。これに近いものがケイト・ブランシェットにはありますね。
本作が素晴らしい映画になったのは彼女の力量だと思います。

僕は映画は映画館で観るのを強く推奨します。
ですが、本作はそれが無理ならディスクを購入して家で何度でも観たい映画とも言えます。
強くオススメしたい映画でした😊